「先見の目」と「先見の妙」の違いとは?分かりやすく解釈

「先見の目」と「先見の妙」の違いとは?言葉の違い【2語】

「先見の目」「先見の妙」は何を表す言葉なのでしょうか。

今回は、「先見の目」「先見の妙」の違いを解説します。

「先見の目」とは?

「先見の目」とは、「先見の明の誤用」です。


「先見の目」の使い方

ある物事が起きるよりも先にその事実を見抜く聡明さのことを「先見の明」といいます。

「先見の明」は中国の古典「後漢書」「楊彪伝」に由来する言葉で、自分の子供が将来周囲に迷惑をかけるであろうことをいち早く見抜き殺してしまったという故事から生まれた言葉です。

「先見の明」は将来をいち早く見抜く洞察力や未来を見通す観察力など良い意味で使われる表現ですが、「先見の明」「明」【めい】を「目」【め】と聞き間違えたことで生まれた誤用が「先見の目」です。


「先見の妙」とは?

「先見の妙」とは、「将来を見通すことの面白さ」という意味を持つ言葉です。

「先見の妙」の使い方

「先見の明」「明」「妙」と勘違いした誤用から生まれた言葉です。

誤用なので本来このような言葉はありませんが「人に先駆けて将来を見通すことにより生じる面白さ」という「先見の明」とは違う意味合いが生まれたことから別の言葉として使われています。

辞書に載るほどは認められていませんが誤用ではない新しい言葉として一部で認識されています。

「先見の目」と「先見の妙」の違い

「先見の目」「先見の妙」はどちらも「先見の明」の誤用です。

「先見の目」は意味が通じない明らかな間違いですが「先見の妙」は新しい意味を持つ独立した言葉として認識されているという違いがあります。

「先見の目」を使うと意味が通じないおかしな文章になりますが「先見の妙」だと意味は異なるものの文章として成立する可能性があります。

まとめ

「先見の目」「先見の妙」はどちらも聞き間違いや勘違いによる誤用であり「先見の明」が正しい表現です。

意味が通じないだけでなく国語力も疑われてしまうので使わないようにしましょう。