「問題提起」と「課題提起」は似たような意味で使われる言葉ですが、具体的にどのような違いで使い分けられているのでしょうか。
今回は、「問題提起」と「課題提起」の違いを解説します。
「問題提起」とは?
「問題提起」とは、「現状と理想の間に立ちはだかるものを明らかにすること」を指す言葉です。
「問題提起」の使い方
全ての物事は現状を理想に近づけるために行われていると言っても過言ではありません。
仮に現場が理想的なものであれば人はその状態に満足し何もしないはずです。
人が何かをしようと思うのは現状が理想的ではないからであり、理想的な状態に少しでも近づくようさまざまな努力を重ねます。
現状と理想との間に立ちはだかり理想的な状態への変化を阻むものを「問題」といいます。
問題は目に見える形で広く認識されているものだけでなく目に見えない潜在的なものもあり、そのような皆が認識していない問題を明らかにする行為を表す言葉が「問題提起」です。
「問題提起」の「提起」とは分かるように差し出すことを意味する言葉で、問題だということが分かるように人々の前に差し出しはっきりさせる行為を「問題提起」と表現します。
「課題提起」とは?
「課題提起」とは、「やるべき取り組みを明らかにすること」を意味する言葉です。
「課題提起」の使い方
理想の実現に向けてやらなければいけない具体的な内容を「課題」といいます。
現状と理想との差をはっきり認識した上で何をなすべきか指し示す行為を「課題提起」と表現します。
「問題提起」と「課題提起」の違い
「問題提起」と「課題提起」の違いは「目的」です。
「問題提起」は何が問題であるかを明らかにして皆で問題を共有するために行われるのに対し、「課題提起」は理想の実現に向けて何をすればいいのか具体的な方法や手順を共有するための行為です。
現状を正しく認識するための行為が「問題提起」、問題の解決に向けた具体的な取り組みを示すのが「課題提起」という違いで区別されます。
まとめ
「問題提起」と「課題提起」は混同されることも多いのですが表す意味合いは全く異なります。
それぞれの意味を正しく理解して使い分けましょう。