「大体」と「ほとんど」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「大体」と「ほとんど」の違い生活・教育

この記事では、「大体」「ほとんど」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「大体」と「ほとんど」の違い

「大体」には、3つの意味があります。

1つめは、いくつか集まっている中の小さいひとつひとつを除いた特に大切なところ、あらましです。

2つめは、物事の大切なところや数量を大雑把にとらえるさまです。

3つめは、もとはといえばです。

「ほとんど」には、4つの意味があります。

1つめは、全部ではないけれど物事の多くの部分、あるまとまった数のほぼすべてです。

2つめは、全部ではないけれど、それに近い程度です。

3つめは、あとちょっとのところです。

4つめは、切実なさまです。

「一度読んだだけで大体わかった」「一度読んだだけでほとんどわかった」といったように、同じような使われ方をすることがありますが、同じ意味を持っている言葉ではありません。

「一度読んだだけで大体わかった」という場合は、その書物の特に大切なところはわかった、大雑把なところはわかったという意味になります。

細かいところは除いてといった意味が含まれています。

「一度読んだだけでほとんどわかった」という場合は、全部ではないけれどその書物がいおうとしているところの多くの部分がわかったという意味になります。

程度のことを意味しています。


「大体」と「ほとんど」の使い方の違い

全体の中の小さな部分を除いた主要な部分という意味で「大体」を使用します。

おおまかという意味です。

全部ではないけれど、全部に近い状態のことを指して「ほとんど」を使用します。

もう少しという意味です。


「大体」と「ほとんど」の英語表記の違い

「大体」は英語で“approximately”“almost”と表現をします。

「ほとんど」は英語で“almost”“nearly”と表現をします。

また「ほとんどない」など否定的な表現の場合は、“little”“few”“hardly”と表現をします。

「大体」の意味

「大体」には、3つの意味があります。

1つめは、まとまりのある物事の中の小さなひとつひとつを除いた主要な部分、物事を大雑把に捉えたところ、あらましです。

あるところで事件がありました。

この事件のことを詳しく説明すると非常に複雑になります。

複雑な細かいところは省き、事件の特に重要なところを理解できれば、「事件の内容は大体わかった」ということができます。

2つめの意味は、物事の大切なところや数量を大雑把にとらえるさまです。

細かい部分を除いた部分、漏れているところはあるが、といった意味になります。

夏目漱石は生涯で約110作品ほどを出しています。

このすべてではないけれど、細かい数にこだわらず、全部に近い数を読んでいる場合「大体読んだ」ということができます。

3つめの意味は、そもそも、もとはといえばです。

「そもそも君は」といった使い方がされます。

発端は、といった意味になります。

「大体」の使い方

細かいところは除いた主要な部分という意味で使用をします。

全部ではなく、漏れているところがあるという意味が含まれています。

「大体」を使った例文

・『大体の話は聞いている』
・『大体のところはわかった』
・『大体時速50kmです』
・『その人は大体160cmくらいの身長でした』

「大体」の類語

「ほぼ」「九分九厘」が類語です。

「ほぼ」には、全部あるいは全部に近い状態という意味があります。

「大体」よりも全部に近い様子です。

「九分九厘」には、完全に近い、9割がたという意味があります。

「大体」の対義語

大雑把ではないという意味で「細部」が対義語になります。

「ほとんど」の意味

「ほとんど」には、4つの意味があります。

1つめは、ほとんどの部分です。

今、商品の在庫が100個あります。

100個ではないけれど、100個に近い数を売ることができれば、「ほとんどの商品が売れた」ということができます。

2つめの意味は、全部ではないけれどそれに近い程度です。

骨折は、骨が折れたり、ヒビが入ったり、一部が欠けたりした状態のことです。

骨が折れてしまっていた状態が完全にではないけれど、100%に近い状態で骨がくっついていれば、「骨折はほとんど治った」ということができます。

夏休みの宿題は多く、夏休みの最後まで宿題が残ってしまい、片付けるのに苦労をした経験を持つ人もいることでしょう。

そういった人がいる一方、夏休みの最初の方に宿題を終わらせてしまう人もいます。

たとえば、算数ドリル、国語ドリル、書道、読書感想文、自由研究の宿題があったとします。

そのうち、算数ドリル、国語ドリル、書道、自由研究は終わり、残っているのは読書感想文だけだったとします。

これは、夏休みの宿題が全部ではないけれど、全部に近い状態で終わっているということができます。

こういった程度を意味する言葉です。

3つめの意味は、もう少しのところでです。

横断歩道が青信号になるのを待っていました。

そのとき、自分の目の前すれすれのところをものすごい勢いで車が通り抜けました。

あと少しのところで自分にぶつかりそうな状態です。

こういった、あと少し、もうちょっとを意味する言葉です。

4つめの意味は、切実であるさまです。

「ほとんど」の使い方

全部ではないけれど、全部に近い程度という意味で使用されることが多いです。

「ほとんど持っている」「ほとんど知らない」「ほとんど終わった」など、さまざまな事柄について使用されます。

「ほとんど」を使った例文

・『ほとんど疲れは残りません』
・『ほとんどの製品を持っている』
・『苦味をほとんど感じない』
・『ほとんど食べることができませんでした』

「ほとんど」の類語

「大部分」「大方」が類語です。

「大部分」「大方」には、多くの部分という意味があります。

全体の半分以上のことを指しています。

「ほとんど」の対義語

全部に近くない状態という意味で「わずか」が対義語になります。

まとめ

似ているような意味を持つ2つの言葉ですが、「大体」は大雑把にといった意味合いがあり、「ほとんど」は全部に近い程度でといった意味合いがある点が違います。