「傾斜」と「勾配」には、どのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「傾斜」と「勾配」の違いを分かりやすく説明していきます。
「傾斜」とは?
傾いて斜めになることを意味する「傾斜」。
その度合いや傾きを意味するほか、気持ちや考え方がある方向に偏っていること。
地層の層理面と水平面とがなす角度といった意味があります。
言い換えれば、「斜面」や「スロープ」、「傾向」、「傾き」などと同じです。
「傾斜」の使い方
「傾斜」は、「傾斜角度」や「傾斜地」、「傾斜計」のほか、「〇度、傾斜する」などといった形で用いられます。
「勾配」とは?
水平面に対する傾きの度合いを意味する「勾配」。
数学では、直線の方向を示す数。
直線がx軸の正の方向となす角の正接で表されるものとなります。
また、物理では、速度・圧力など物理量の大きさが位置によって変化するときの変化率を意味します。
言い換えれば、「斜面」や「スロープ」、「傾向」、「傾き」などと同じです。
「勾配」の使い方
「勾配」は、「急勾配」や「勾配が早い」、「〇度の勾配」などといった形で用いられます。
「傾斜」と「勾配」の違い
ほぼ同じ意味を持つ「傾斜」と「勾配」。
そのため、言い替える際には同じ言葉を用いることも可能です。
単に傾いて斜めになることを意味する「傾斜」に対し、水平面に対する傾きの度合いを意味する「勾配」。
より専門的な言葉として用いられるのは「勾配」が多くなります。
そのほか、気持ちや考え方に対しても「傾斜」は用いることができるといった点にも違いがあります。
「傾斜」の例文
・『坂道の傾斜角度を調べる』
・『水はけを考え、もう少し傾斜させる必要がある』
・『彼の考え方に傾斜する』
・『平坦な場所にも関わらず、少し傾斜しているような気がします』
「勾配」の例文
・『勾配の急な坂道を自転車で登る』
・『雪国では屋根の勾配には工夫がされています』
・『緩い勾配でも足腰への負担は大きくなります』
・『この線路の勾配が気になります』
まとめ
以上のように、ほぼ同じ意味を持つ2つの言葉になります。