たとえば、「津田さん」という名前の方がいたら、ローマ字で記述するとどうなるでしょうか。
多くの人は「tsuda」と書くと思いますが、人によっては「tuda」とも書きます。
それでは、この「tu」とはどういう意味でしょうか。
また、「tsu」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「tu」と「tsu」の違いを分かりやすく説明していきます。
「tu」とは?
「tu」とは、「つ」という文字を「訓令式ローマ字」で表記したものです。
そもそも、ローマ字は海外から布教のために訪れた外国人が日本語をアルファベットで表記するために考え出されたものなので、日本人が決めたわけではありませんでした。
そんな中で、明治時代に日本人によって考案されたのが「日本式」であり、それを発展させたのが「訓令式」というものです。
「tsu」とは?
「tsu」とは、「つ」という文字を「ヘボン式ローマ字」で表記したものです。
「ヘボン式」というのは、アメリカ人宣教師のヘボン氏が考案したものです。
このヘボンという名前は有名な英国女優の「オードリー・ヘップバーン」の「ヘップバーン」と同じ綴りです。
多くの人が勘違いしていますが、「さとう」は「SATO」ですが、「よこお」は「YOKOO」、「ゆうじ」は「YUJI」のように表記します。
「tu」と「tsu」の違い
「tu」と「tsu」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、ひらがなでいえば「つ」という発音をローマ字で表したものであることは同じですが、その方式が違います。
「tu」と表記するのが「訓令式ローマ字」であり、「tsu」と表記するのが「ヘボン式ローマ字」であることは前述のとおりです。
したがって、記述方法の違いと言うだけなので、どちらかが正しいというわけではありませんが、日本国のパスポートの記述に関しては「ヘボン式ローマ字」を使用するということが旅券法で規定されています。
まとめ
この記事では、「tu」と「tsu」の違いを、解説してきました。
前述のように、この2つはローマ字と言っても方式が違います。
パスポートに関しては、使用するのはヘボン式ローマ字ということになっていますが、実はそれ以外の表記も禁止されているわけではありません。
たとえば、「大野」さんの場合ですが、一般的な感覚では「OHNO」と記述したくなりますが、ヘボン式では「ONO」であり、「OHNO」や「OONO」は非ヘボン式ということになります。