「暖衣飽食」と「粗衣粗食」はどちらも着るものと食べるものを表す言葉です。
2つの言葉にはどのような意味の違いがあるのでしょうか。
今回は、「暖衣飽食」と「粗衣粗食」の違いを解説します。
「暖衣飽食」とは?
「暖衣飽食」とは、「暖かい衣類と飽きるほどの食べ物がある豊かで満たされた状態」を意味する言葉です。
「暖衣飽食」の使い方
「暖衣飽食」の「暖衣」とは暖かい衣服を、「飽食」は飽きるほどたくさんの食べ物を表します。
人は生きていくためには凍えることのない暖かさと飢えを回避するための食べ物が不可欠です。
人が幸せになるための条件である寒さをしのげる衣服と十分な食べ物を指す言葉が「暖衣飽食」です。
「暖衣飽食」が表しているのは十分な衣服と食べ物ですが、そこから転じて「着るものと食べるものに不自由していない満たされた状態」という意味になります。
この言葉ができた当時は着るものや食べるものに苦労する人が多かったことから「生きていくのに困らない贅沢で十分に満たされた生活」という豊かさを表す意味で用いられる表現です。
「粗衣粗食」とは?
「粗衣粗食」とは、「粗末な衣服と粗末な食べ物で過ごす質素な生活」を意味する言葉です。
「粗衣粗食」の使い方
最低限の記憶と食事しかない簡素で最低限な生活を表します。
暖かい衣服も豊かな食事も手に入れられない貧しい状態の意味で使われるほか、華美や贅沢から離れたつつましやかな生活を表す意味でも使います。
「暖衣飽食」と「粗衣粗食」の違い
着るものにも食べるものにも困っていない豊かな生活が「暖衣飽食」、着るものも食べるものも最低限しかない質素な生活が「粗衣粗食」という同じ服と食べ物を指す言葉でも意味は正反対です。
「暖衣飽食」の例文
・『暖衣飽食の毎日を過ごす』
・『暖衣飽食の日々ですっかり堕落した』
「粗衣粗食」の例文
・『粗衣粗食の苦しい生活だ』
・『山奥で一人粗衣粗食の日々を過ごす』
まとめ
「暖衣飽食」と「粗衣粗食」は正反対の意味になります。
言葉の意味を正しく理解し区別してください。