この記事では、「大義名分」と「錦の御旗」の違いを分かりやすく説明していきます。
「大義名分(たいぎめいぶん)」とは?
「大義名分」とは、「国家や君主に対し、人として、臣下として厳守すべき本分や道理、節義のこと」、「その行為を正当化するだけの理由や道理」を意味する言葉です。
「大義(たいぎ)」は「人として守るべき同義」や「国家や君主への忠義」、「親への孝行」、「大切な意義」などを表し、「名分(めいぶん)」は「立場や身分上、守らなければならない道義上の節度」や「その行為をする上での建前や表向きの理由」を表します。
「大義名分」の使い方
「大義名分」は名詞として使われる四字熟語です。
「錦の御旗(にしきのみはた)」とは?
「錦の御旗」とは、「鎌倉時代より後、朝敵を征伐するときに用いられた官軍の旗」、転じて「行為や主張に権威を持たせるための名分」を意味する言葉です。
実際に用いられていた「錦の御旗」は赤字の錦に金色の日像や銀色の月象の意匠が施されており、天皇(=朝廷)の軍(=官軍)の証として用いられました。
別名「菊章旗」や「日月旗」とも呼ばれており、日本史では1221年に起きた承久の乱の際に、後鳥羽上皇が自軍の将に与えたものが初見とされています。
「錦の御旗」の使い方
「錦の御旗」は名詞として使われています。
「大義名分」と「錦の御旗」の違い
「大義名分」と「錦の御旗」にはいずれも「行為を正当化させるだけの理由や道理、権威」という意味が含まれています。
したがって、2語は類義語の関係に当たると言えます。
「大義名分」の例文
・『戦争では、各々が掲げる大義名分の下で多くの民間人が犠牲となっている』
「錦の御旗」の例文
・『ネットでは、正義を錦の御旗に掲げた誹謗中傷の例が後を絶たない』
まとめ
「大義名分」は「国家や君主に対し、人として、臣下として厳守すべき本分や道理、節義のこと」、「その行為を正当化するだけの理由や道理」を意味する四字熟語です。
そして、「錦の御旗」は元来、「朝敵を征伐するときに用いられた官軍の旗」のことであり、転じて「行為や主張に権威を持たせるための名分」という意味でも用いられている言葉です。
いずれにも「行為を正当化するための理由や道理」という意味が含まれているため、2語は類義語の関係に当たると解釈できます。