今ではあまり使うことはなくなりましたが、昔のドラマなどで悪人に向かって言うセリフで「それは悪魔の所業だ」というものがあります。
この「所業」とはどういう意味でしょうか。
また、「所行」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「所業」と「所行」の違いを分かりやすく説明していきます。
「所業」とは?
「所業」とは、「行ったこと」あるいは「しわざ」のことを表す言葉で、多くの場合は悪いことに対して使われます。
最も有名なのは「悪魔の所業」のような、究極的に相手の行為を断罪するものです。
「所行」とは?
「所行」とは、「行ったこと」あるいは「しわざ」のことを表す言葉で、やはり特に悪いことに対して使用するものです。
おそらく、「行い」という意味を表す文字としては「業」よりも「行」の方がわかりやすいので、使用されるようになったと考えられます。
「所業」と「所行」の違い
「所業」と「所行」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、「行ったこと」という意味で使用されて、多くのケースで同じ意味で使われると共に、辞書にも同じ項目に記載されているものです。
しかし、本来の意味には若干の違いがあります。
それは、「業」と「行」の違いとも言えます。
すなわち、「業」は「なりわい」と読み、「職業」などに使われるように、「職業などのように日常的に行っていること」という意味を持つのに対して、「行」は、「おこない」と読むように、その人がやったこと全てが含まれます。
したがって、「所業」と「所行」は、繰り返し、日常的に行うことと、たまたまその時行ったことの違いと言って良いでしょう。
まとめ
この記事では、「所業」と「所行」の違いを、解説してきました。
そもそもこの2つの言葉は、序文で述べたような極めて限定されたシチュエーションでしか使われない言葉です。
それも時代を経るにつれてもっと使用頻度は減ってゆくでしょう。
しかし、毎日のように新しい言葉が生まれて定着して行きます。
これが言葉の力なのでしょう。