フランスの音楽家であるビゼーの代表的な作品といえば、何といっても「カルメン」でしょう。
「カルメン」は「組曲」で、元々あった曲を組み合わせて作られています。
それでは、この「組曲」とはどういう意味でしょうか。
また、「単一楽章曲」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「単一楽章曲」と「組曲」の違いを分かりやすく説明していきます。
「単一楽章曲」とは?
「単一楽章曲」とは、多くの「交響曲」や「協奏曲」などが3つ4つくらいの、「楽章」から構成されるのに対して、基本的には1つの「楽章」で構成されている楽曲のことを言います。
「交響曲」で言えば、R・シュトラウスの「アルプス交響曲」、ショスタコーヴィチの2番、3番などがあり、ピアノ・ソナタの曲にも「単一楽章」の曲はたくさんあります。
英語では「single movement」と呼ばれます。
「組曲」とは?
「組曲」とは、いくつかの曲を並べておおきな「楽曲」にしたもので、構成する各曲は元々「舞曲」であることが多く、基本は同じ調であり、すでに存在している曲の場合も、新しく書き起こした曲のこともあります。
英語では「suite」と呼ばれます。
「単一楽章曲」と「組曲」の違い
「単一楽章曲」と「組曲」の違いを、分かりやすく解説します。
単純にこの2つを比較するならば、一つの「楽章」しかない曲が「単一楽章曲」で、複数の「楽章」があれば、「組曲」なのではないかと考えてしまいますが、一般的にはそうではありません。
「単一楽章曲」の対義語は「多楽章曲」であり、その有名なものは、多くの「交響曲」や「協奏曲」という形式になります。
一方、「組曲」は、いくつかの「曲」あるいは「舞曲」をあつめて一つの楽曲にしたものなので、そもそもひとつひとつの曲を「楽章」とはあまり言いません。
つまり、この2つの言葉は対局にあるものではなく、違う形式の曲のことを言う言葉であるというのが正しいでしょう。
まとめ
この記事では、「単一楽章曲」と「組曲」の違いを、解説してきました。
このような音楽用語は、そもそも意味が曖昧である上に、時代によって意味がかわってくることも多いので、ややこしいと言えます。
たとえば、「ソナタ」とは、やはり、いくつかの違う曲(5つのフェーズ)を持つ楽曲のことを言いますが、元々は、楽器で演奏される曲というようなシンプルな意味しかなく、時代を経るにつれて、複雑な形式をとるようになり、それが「交響曲」などになったという歴史があります。