「理念」と「目的」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「理念」と「目的」の違い生活・教育

この記事では、「理念」「目的」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「理念」と「目的」の違い

「理念」は、「個人や集団がこうあるべきという理想を定めている方向性・基本の考え方」を意味しています。

「目的」の言葉は、「物事の方向性・根本的な考え方ではなくて、最終的に目指しているもの」を示唆している違いがあります。

「理念」という根本的な思考には「目的」も含まれますが、それ以外の「~すべきという理想・規範」も意味している点が違っているのです。

そのため、「経営理念」という言葉よりも、「経営目的」のほうが「直接的に目指しているお金・シェア・地位」などを示しているニュアンスになってきます。


「理念」と「目的」の使い方の違い

「理念」「政治理念・経営理念」の言葉のように、「○○+理念」「○○についての根本的な考え方・理想とするビジョン」を意味して使われます。

「理念」と比較すると「目的」は、「政治目的・経営目的」といった言葉としてはほとんど使われない違いがあります。

「目的」の言葉は「実現(獲得)や到達を目指しているもの」の意味で使われますが、「理念」「直接的に目指している地点・もの」の意味合いでは使われない点も異なっています。


「理念」と「目的」の英語表記の違い

「理念」を、英語を使用して表現すると以下になります。

“philosophy”……人・物事の基本姿勢を規定する哲学的な考え方。

個人・組織がそれを基準として活動する理念。

“idea”……ある事柄についての基本的な思想や考え。

哲学的概念としてのイデア。

人物や企業などの方向性を示唆する理念。

“principle”……物事がそれに依拠して成り立っている基本的な原理原則・規範。

人や物事の根本を定義して支えている理念。

「目的」を、英語を使って表記すると以下になります。

“purpose”……人・組織が行動する時の動機づけとなっている目的。

“aim”……それを実現しようとして狙いをつけているもの。

狙って実現を目指している目的。

“goal”……最終的にそこに到達しようとしている意味での目的。

目指しているゴール。

目的。

“objective”……明確に定義することができる目的。

中長期的な計画の先にある目的。

「理念」の意味

「理念(りねん)」とは、「ある物事・対象についての根本的な考え方」を意味しています。

「理念」というのは、「個人の行動あるいは会社・組織の運営などについて、こうあるべきだという行動規範の要素を持つ基本的な考え方」を示唆している言葉なのです。

「理念」の表現には、「現実世界にある対象の原形となっている理想的な概念であるイデア」の意味もあります。

「理念」は、「古代ギリシア哲学でプラトンが定義した現実の世界には存在しない完全な原形であるイデアに由来する概念」といった意味も持っています。

「理念」の使い方

「理念」は、「ある物事・活動について、どのようにするべきかを筋道を立てて規定した基本的な考え方」の意味で使用されている言葉です。

「理念」「経営理念・政治理念・個人理念・開校理念」などの熟語として使われることが多くなっていますが、いずれも「前についている言葉に関する根本的な方向性や考え」の意味で使われています。

また「理念」は哲学用語としては、「現実世界にあるモノの完全無欠な原形であるイデア・理想概念」を示唆して使うことができます。

「理念」を使った例文

・『当校の修学理念は自主独立と共存共栄の精神にあり、一人で生きる強さと仲間と助け合える協調性を大切にしております。』

・『素晴らしい理念を表看板に掲げている団体はいくらでもありますが、その理念を本当に実践できているところは極めて少ないのです。』

・『老舗企業の創設期の経営理念を見れば、創業者が自分のビジネスや従業員についてどう考えていたのかが分かります。』

・『理想的な状態を思い描く理念だけではシビアな現実社会を乗り越えることはできません。』

・『古代ギリシアのプラトンがいうイデアとは、何一つ不完全な部分がない理性で把握する理念のことを指しています。』

「理念」の類語

「理念」の類語には、以下の言葉があります。

・『観念(かんねん)』……具体的な対象がなくても、心の中で思い描くことができるイメージ・考え。

・『概念(がいねん)』……ある物事の本質部分をとらえている言語・思考。他者ともある物事の意味を共有できる言葉とその内容。

・『ミッション』……ある物事に対して抱く、自らがやらなければならないと考える使命。重要性のある任務。

「理念」の対義語

「理念」の対義語には、以下の言葉があります。

・『実際(じっさい)』……こうあるべきという方向性に沿っていない、物事のあるがままの現実の状態。

・『実情(じつじょう)』……理想の概念や規範的理念などで規定されているわけではない、現実の情况。

「目的」の意味

「目的(もくてき)」とは、「達成しようとしている物事」「手に入れようとしている対象」を意味しています。

「目的」という言葉は、「最終的に到達しようとして目指している地点・ゴール」の意味を持っています。

また「目的」には、「その行動の方向性を規定している狙っている対象・地点・状態」といった意味合いもあります。

「目的」の使い方

「目的」は、「実現することを目指しているもの」を意味して使用する使い方になります。

「目的」の言葉は、「最終的に到達したい地点・状態」「最終的にゲットしたい対象・モノ」を指して使うことができます。

例えば、「目的を達成するまではこの仕事を辞めるつもりはありません」といった文章で使用されるのです。

「目的」を使った例文

・『学生時代は何か目的を持って勉強や部活、バイトに励んだほうが、有意義な時間を過ごせます。』

・『人生の目的は人それぞれですが、お金や権力以外にも大切なものは多くあります。』

・『この会社の目的は人々の健康な食生活をサポートすることで、開発している商品もヘルシーなものばかりです。』

・『大学受験に落ちた頃は、人生の目的を見失ってふらふらした生活をしていました。』

・『特別な目的のない自由な旅というのは、本来一番贅沢な旅の仕方なのかもしれません。』

「目的」の類語

「目的」の類語には、以下の言葉があります。

・『目標(もくひょう)』……最終的な目的を達成するまでのプロセスにある指標・手段。

・『狙い(ねらい)』……ある意図を持って獲得しようとしているもの。実現をねらっていること。

・『ゴール』……最後に到達しようとしている場所や地点。

「目的」の対義語

「目的」の対義語には、以下の言葉があります。

・『手段(しゅだん)』……ある目的を実現するために採用する方法や手立て。

まとめ

「理念」「目的」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「理念」「目的」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく知りたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。