「忌中」と「喪中」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「忌中」と「喪中」の違い生活・教育

この記事では、「忌中」「喪中」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「忌中」と「喪中」の違い

「忌中」とは、戸籍上関係がある人が亡くなったときにめでたい行事を避ける期間のことです。

一般的には死後四十九日とされています。

「喪中」とは、戸籍上関係がある人が亡くなったときに、ひっそとして過ごす期間のことです。

一般的には死後一年間とされています。

どちらの言葉にも、自分とつながりのあるものが亡くなったときの、度を越したことをせずにひっそりと過ごす期間の意味があり、この点は意味が共通しています。

しかし、同じことを指しているのではなく、2つの言葉では何日間であるのかという点で違いがあります。

「忌中」は、四十九日の法要まで、「喪中」は、365日間です。

期間は地域によって違いがありますが、一般的にはこの期間とされています。


「忌中」と「喪中」の使い方の違い

この世から人が去ってからの四十九日間の喪に服する期間のことを指して、「忌中」を使用します。

この世から人が去ってからの一年間の、度を越さないようにする期間のことを指して「喪中」を使用します。

近親者で死者が出たとき、正月の祝い事を避け、年賀状を出さないことが一般的です。

このときに新年のあいさつを遠慮するはがきを出しますが、これを「喪中はがき」といいます。


「忌中」と「喪中」の英語表記の違い

「忌中」は英語で“mourning”と表現をします。

「喪中」も英語で“mourning”と表現をします。

同じ表現をします。

「忌中」の意味

戸籍上つながりのある人が亡くなってから、遺族が身を慎んだり、お祝い事を避けたりする期間のことです。

地域によって違いがありますが、一般的には四十九日間とされています。

四十九日とは、死者の魂がこの世を漂っている期間だといわれます。

四十九日は七の七倍です。

死後、七日ごとに審判が行われ、極楽浄土に行けるのかが決まるといわれています。

そこで、生まれ変わって来世が明るくなるように、七日ごとに法要を行います。

死後七日目が初七日、次が二七日、その次が三七日となっていきます。

しかし、七日ごとに法要を行うことは難しいため、最初の審判である初七日と最後の審判である四十九日に法要を行います。

「忌中」には、外部との接触をできるだけ避け、お祝い事は行わないようにします。

神道では死を穢れとしており、近親者に死者が出たときには、参拝を控えるとされています。

古くは「忌中」には家にこもって過ごすこととされていましたが、現代では仕事や学校などがあるため、「忌中」であっても仕事や学校を休むことはありません。

しかし、大々的なお祝いはしません。

自宅に神棚がある場合は、神棚を半紙などで覆い隠します。

期間は五十日です。

この間、水や米などの供え物をする必要はありません。

五十日経ったら半紙などをはがし、普段通りに水や米などをお供えします。

仏壇は神道とは違うため、特別なことはしません。

古くは「忌中」という神を家の入口に貼っていたようですが、現在ではそのようなことはしない場合が多いようです。

「忌中」の使い方

血縁関係にある近しい人が亡くなってからの四十九日間を指して使用します。

死者が出ることは頻繁にあることではないので、頻繁に使われる言葉ではありません。

「忌中」を使った例文

・『悲しみを抱えて忌中をすごす』
・『忌中は身を慎んで過ごす』
・『もうすぐ忌中開けします』
・『忌中でも家の外に紙を貼らない』

「忌中」の類語

「喪中」「喪」「弔い」「死別」が類語です。

「喪」とは、肉体がほろびこの世から去ってから、遺された人がひっそり過ごすことです。

「弔い」には、人の死を悲しみ遺族をなぐさめること、死者の霊をなぐさめることという意味があります。

「死別」は、死にわかれることです。

「忌中」の対義語

「祝い」が対義語です。

めでたいこととして喜ぶという意味があります。

「喪中」の意味

戸籍上関係のある人が亡くなってから、度を超すことをしない期間のことです。

地域によって異なりますが、一般的には一年間とされています。

めでたいことは行いませんが、お中元やお歳暮は、お世話になった人へのお礼の意味があり、祝い事とは異なるので、贈る・もうらうという事をしても問題ありません。

正月には年賀状を送ることがありますが、「喪中」には年賀状は送りません。

その代り、「喪中はがき」を送ることが一般的です。

11月の中旬、遅くても12月の初旬ころまでには出すようにします。

元日に知らせていては、周囲の人に正月のお祝いを避けることが伝わらず、正月の祝いを受けてしまう可能性があります。

正月までに「喪中はがき」が間に合わなかったときには、松の内が明けてから寒中見舞いを出し、事情を説明します。

自分からは年賀状を出しませんが、受け取ることは問題ありません。

年賀状を送って欲しいと「喪中はがき」で伝えることもあります。

「喪中」が終わってから、特別に何かをする必要はなく、仕事をする、学校に行くなどは行います。

「喪中」の使い方

戸籍上関係のある人がこの世を去ってからの365日間を指して使用します。

度を越したことをせずにひっそりとして期間中を過ごすことが一般的で、相手がそのことを知らない可能性があるので、「喪中」であることを伝えるようにします。

そのときに「喪中」という言葉が使われます。

死者が出ることは頻繁にあることではないので、頻繁に使われる言葉ではありません。

「喪中」を使った例文

・『喪中のため、謹んで過ごしています』
・『喪中でも明るく過ごしたい』
・『まだ喪中だ』
・『喪中はひっそり暮らしていた』

「喪中」の類語

「忌中」「喪」「弔い」「死別」が類語です。

「喪中」の対義語

「祝い」が対義語です。

喜ばしいことの意味があります。

「喪」は悲しいとされているので、それとは対照的な言葉です。

まとめ

死者が出てからの期間の意味では同じことを指していますが、まったく同じことを指しているのではない2つの言葉です。

同じ点は、頻繁に使わないことです。