この記事では、「開ける」【あける】と「開く」【ひらく】の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「開ける」とは?
閉じていた扉がパッと大きくあけ放たれる状況を表すのが「開ける」【あける】です。
長年に渡り、開かずの間になっていたその扉を今、まさに解き放つように開くという状態を表すときに使います。
お寺では、何十年も閉じて開けられなかった観音様が眠る扉を、今まさに開け放ち、仏像を拝むとき人は両手を合わせて祈ります。
「ひらけた」とも呼べる言葉であり、開け放つことでそこに滞っているよどんだ空気を外に逃がすことで、落ち込んでいた気運がいい方向へと進むとき、「いい運気が開けた」と表すこともあります。
どこか人の行き来を歓迎するような扉が開けた家は、社交的な明るい家だと感じるなどいい意味で使われている言葉なのです。
「開く」とは?
自分の手で問題があるため通れない道を、通れるように知恵と力をつぎ込んで開拓して「開く」【ひらく】という状態を表します。
狭い道を切り開くことで視野が広がる状態になり、野菜を作って収入を得られるようになるため、家も建てて人生を豊かにする意味で使うわけです。
今まで閉じふさがっていた状態を意図的にあけ広げることで、自分がやりたいと思う状態にするときの行動を指します。
読書がしたいと思うときは本を手に取って開きますし、植物はつぼみを広げたら虫が飛んできて受粉するとき花を「開く」わけです。
自分の意思とは違う意味で使うときは「あく」と訳し、「ドアが風で勝手に開く」と表現するなど、不本意なことが今まさに目の前で起きたことへの違和感を表します。
「開ける」と「開く」の違い
「開ける」と「開く」の違いを、分かりやすく解説します。
扉が閉じているので、通れない状態のため閉じていた扉を自ら「開ける」とき、自分の行動を表します。
ひらけるという意味で使うときは、自分の努力によって狭い道が開けたことで開放感に包まれ、ますます人生を前向きに歩めるようになるわけです。
もう一方のあくという意味で使われている言葉は、閉じていたドアや蓋が「開く」といった状況になったとき使われており、自分の力を注いだとき状況が変わるときに使われています。
かなり力を入れないと、なかなか開かない困難な状況を解消して、いい方向へ向かうようにしたいのです。
「開ける」の例文
・『明るい日差しが入り込む玄関の扉が開けた家は、どこか居心地がいい』
・『神社に100年も眠る仏像の扉が今まさに開かれて、神々しい姿が現す』
・明るい日差しがこうこうと入り込み、部屋を照らし出す家は明るく、空気も澄んでいるところがどこか過ごしやすいと感じるでしょう。
・神社に100年も扉が閉じられていたため、姿がよく分からなかった仏像の扉が開かれることの喜びと嬉しさを表すときにも使われています。
「開く」の例文
・『祖父は、豊かな生活が送れるよう乳飲み子を抱えて南米に渡り、道を切り開く』
・『左の扉を開こうと決めていたのに、右のドアが勝手に開くことは予想外な出来事だった』
・乳飲み子を抱えてまで、言葉も通じない海外へと渡り、道具で固い土地を耕して食べ物を作ってお金にするという大変な道を切り開いたという話をするときに使います。
・本当なら、左の扉を開こうとしていたのに、目の前でいきなり右の扉が「開く」理由には、招かれているような気がする人は運命を感じて選ぶわけです。
まとめ
どちらも閉じていたものが開放的に開かれた状態になる様を表しますが、「開ける」は閉じていたため使えなかったものが使えるようになる状況に変化したときに使い、「開く」は今の置かれた状況から脱出し、いい方向へと突き進む状況にするため新たに道を切り開くような状態を指す言葉と覚えておくといいでしょう。