「汚泥」と「残土」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「汚泥」と「残土」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「汚泥」「残土」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「汚泥」と「残土」の違い

「汚泥(おでい)」「残土(ざんど)」の端的な違いは、「汚泥」は法律で規制されている「産業廃棄物」であるが、「残土」は産業廃棄物ではないということです。

「汚泥」を法律で指定された方法以外の勝手な方法で捨てると、懲役刑・罰金刑の刑罰を科される恐れがありますが、「残土」にはそういった刑法上の刑罰は制定されていません。

「汚泥」「工場の排水・工場の製造過程で生じる泥状のもの」です。

それに対して「残土」は泥みたいなものではなく、「土木建築工事の掘削などで副次的に発生する土」であるという物質そのものの違いを指摘できます。


「汚泥」と「残土」の使い方の違い

「汚泥」「ドロドロした泥のような産業廃棄物」の意味で使われる産業用語です。

「汚泥」に対して「残土」とは、「土木建設工事で土地を掘る場合に出てくる土・建設発生土」を意味して使われる基本的な違いがあります。

「残土」の用語は、コンクリートや化学物質などの混入物がない限りは、「産業廃棄物」としての意味合いで使われることはありません。

「汚泥」「廃棄物処理法の規制に従った処理方法で捨てなければ犯罪(罰則あり)になる」のですが、「残土」にはそういった厳しい法規制がかかった廃棄物の意味としての使い方はありません。


「汚泥」と「残土」の英語表記の違い

「汚泥」を、英語を使用して表現すると以下になります。

“sludge”……ドロドロとしたヘドロ・泥。

ドロドロの汚物。

汚泥。

“slime”……ドロドロした物質・泥状のもの。

ぬめぬめしたもの。

汚泥。

“industrial waste”……産業廃棄物。

「残土」を、英語を使って表記すると以下になります。

“soil come from construction”……建築構造物から生み出される土。

建設工事から生じる残土。

“surplus soil”……土木工事や建設工事から発生する余剰土。

残土。

「汚泥」の意味

「汚泥(おでい)」とは、「製造業の製造プロセスにおいて発生する泥状の産業廃棄物」を意味しています。

「汚泥」「廃棄物処理法によって廃棄方法が規制された産廃」であるため、不法投棄した場合には「懲役・罰金の刑事罰」が科されることになります。

「汚泥」には、「工場排水等で出される泥状のもの」などがあります。

また「汚泥」は大きく、「有機性汚泥(し尿・パルプ廃液など)」「無機性汚泥(けい藻土かす・腐白土など)」に分けることができます。

「汚泥」の使い方

「汚泥」は、「専門の廃棄物処理業者に処分を依頼しなければならない、どろどろとした状態の産業廃棄物」の意味で使われている言葉です。

「汚泥」という表現は、「主に製造業の工場の生産活動の副産物として発生する泥状のもの」を指して使うことができます。

例えば、「汚泥を河川に排出している工場が摘発されました」といった文章で使用されるのです。

「汚泥」を使った例文

・『製造業の事業活動で必然的に発生する汚泥の処分は業者に頼むため、一定の廃棄コストが要ります。』

・『工場などから出される汚泥に含まれる有害物質には、健康被害につながる危険な物質もあります。』

・『法律を無視して汚泥を垂れ流している業者は、違法操業をしているだけでなく公害の原因にもなりかねません。』

・『下水処理場や食品工場などから生じる汚泥は、有機性汚泥に分類される産廃になります。』

・『汚泥の廃棄は廃棄物処理法で規制されているため、海や川などにそのまま流せば重い犯罪になります。』

「汚泥」の類語

「汚泥」の類語には、以下の言葉があります。

・『ヘドロ』……川底などに沈殿するドロドロとした泥状のもの。工場の排水として出される汚くて臭い泥状の物質。

・『産業廃棄物(さんぎょうはいきぶつ)』……産業活動の副産物として発生する各種のゴミで、法律に基づいた処分をする必要があるもの。

・『スラッジ』……不純物・有害物質などが混入した汚れた泥。汚泥。

「汚泥」の対義語

「汚泥」というのは「工場の事業活動から生じる、ヘドロのようなドロドロとした状態の産業廃棄物」を意味しているため、国語辞典などに記されている「汚泥」の対義語はありません。

「残土」の意味

「残土(ざんど)」とは、「土木建築工事の掘削作業で生み出される余剰な土」を意味しています。

「残土」という言葉は、「建設発生土(けんせつはっせいど)」の同義語になります。

「残土・建設発生土」というのは、「土木建設工事で必然的に発生する建設副産物」なのです。

「残土」「建設副産物」であっても「産業廃棄物」ではないため、「廃棄物処理法」の規制・罰則の対象にはなっていません。

ただし「残土」「コンクリート・重金属・汚泥・建設資材・木材・木の根」などが含まれると、産廃扱いになります。

「残土」の使い方

「残土」は、「土木工事・建築工事における地面を掘る作業で生まれる土」を意味して使われています。

「残土」という言葉は、「建設発生土」という建築用語の意味合いで使用することができます。

「残土」は、「産廃ではない、掘削を伴う建設工事(基礎工事)において発生する余剰土(当面の使い道がない余った土)」を指して使われる言葉なのです。

「残土」を使った例文

・『残土は基礎工事の掘削段階で多く発生しますが、その残土のかなりの割合は埋め直しに使われます。』

・『残土もコンクリート塊などが混入していれば、産廃として廃棄する必要があります。』

・『空き地や山奥に、残土をそのまま捨てていく不法投棄が社会問題になっています。』

・『残土はかつてその全てを埋め立てなどの場外処分としていましたが、近年は埋め戻しにも使われています。』

・『残土はただ捨てるのではなくて、埋め戻しの用途や道路工事の盛土として再利用されるケースも増えています。』

「残土」の類語

「残土」の類語には、以下の言葉があります。

・『建設発生土(けんせつはっせいど)』……土木工事・建設工事などで、地面を掘ったり埋め直したりした時に建設副産物として生じる土。

・『余剰発生土(よじょうはっせいど)』……その建設工事で直接的に使用されることがない余った土。

「残土」の対義語

「残土」「土木工事などの土地を掘る作業で発生する余剰の土」を意味している言葉であるため、国語辞典などで正式に定義されている「残土」の対義語はありません。

まとめ

「汚泥」「残土」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「汚泥」「残土」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく知りたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。