この記事では、「流体力学」と「流体工学」の違いを分かりやすく説明していきます。
「流体力学」とは?
「流体力学」は、理論を読み解くもので、なぜ、飛行機は浮かんでいるのだろうか?という疑問を計算や計算の結果から読み解いていく学問です。
なので、結果は、初めから飛行機の場合、浮かぶということが分かっていることを前提になぜ浮かんでいるかを突き詰めていく学問だと考えるとわかりやすいでしょう。
そのうえで、なぜ、浮くという事実が分かっているのにもかかわらず、まだ研究をするのか?については、空気の流れ以外でも実は浮く要素があるのでは?と考えたりするがゆえ、他の要因を検証するために「流体力学」は存在します。
「流体工学」とは?
「流体工学」は、「流体力学」で物体がどうなるかを勉強して基礎知識を付けてから、その起こる現象をどうしてやろうかと考えるのが「流体工学」です。
簡単に言えば、鳥は空を飛ぶことができるのはなぜか?を解明した場合、じゃあ人間も空を飛べるのではないかと考え、じゃあ空を飛ぶには何が必要?と考えていくのが「流体工学」です。
どうやったらという部分を工学という工業機械の力を借りて達成させるのが「流体工学」になるので、乱暴な言い方をすれば、人間にロケットエンジンを取り付ければ飛ぶんじゃあない?と考えるのも一応「流体工学」になります。
「流体力学」と「流体工学」の違い
両者の違いは、学問であるか、学問から基礎知識を取り出して産業に生かすかです。
「流体力学」はいわば、物体が静止している状態から何か力が加わるとどうなるかを追求する学問で、「流体工学」は、力が加わるとどうなるかが分かったので、それを機械の力を借りて飛行機を作り出すなど何か別の産業に生かそうとすることになります。
まとめ
「流体力学」については、学問で基礎知識を学ぶ、この部分のみを追求しています。
要は、人間は空を飛びたいと考えた場合、なぜ飛べるんだという部分を追求する必要があり、翼がいるのか、速度も必要かやそもそも浮くと飛ぶ派なんだということを考えるのが「流体力学」です。
なので、この部分をきちんと学んでいないエンジニアは、飛行機を作ろうとしてもなぜそうなるの?という部分を理解していませんのでたとえ強力なエンジンが作れたり軽量な素材を作り出せてもそれらを生かすことができません。
一方、「流体工学」は、すでに「流体力学」の基礎知識が身についていてなぜそうなるの?という部分を理解しているがゆえ飛行機なり、気球なりを作り出すことができるわけです。
なぜ力が発生するかという部分を理解しているがゆえ、何が力を生み出す根本になりえるかを考えることができ、それがロケットエンジンによって力を生み出せば、飛べると考えると、これは「流体工学」になります。
ただ、「流体工学」は経験が必要で失敗があって成長する学問なので、事実飛行機が登場するまでにおいては、とある兄弟は何度も墜落して最終的に飛行機を世に出しています。