中学の音楽の時間に習ったものの一つに「音階」というものがあります。
たとえば、「長音階」、「短音階」などがありました。
それでは、この「音階」とはどういう意味でしょうか。
また、「旋法」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「音階」と「旋法」の違いを分かりやすく説明していきます。
「音階」とは?
「音階」とは、文字通り「音の階段」とも言えるもので、規則に従って、音を低い方から高い方に並べたもののことを言い、英語では「スケール」と言います。
「音階」にはさまざまな種類がありますが、最も有名なのは「長音階」と「短音階」です。
この2つは、含まれる音の種類に違いがあり、たとえば「ハ長調音階」、つまり「Cメジャースケール」は、「ドレミファソラシ」の並びのことであり、「ハ短調音階」、つまり「Cマイナースケール」は「ドレミファbソラbシb」になります。
「旋法」とは?
「旋法」とは、音楽における音の選び方の手法のことを表す言葉で、英語では「モード」と言います。
前述の「音階」よりもずっと前から存在していた考え方で、要は、どの音から始まって、どの音を通って、どの音で終わるかという方式をそれぞれの聞こえ方の違いによって命名したもののことです。
最も有名な「教会旋法」には「ドリア旋法」、「ミクソリディア旋法」、「フリジア旋法」など7つ「旋法」があり、その中の「アイオニアン旋法」が「長音階」、「エオリア旋法」が「短音階」と呼ばれるようになりました。
「音階」と「旋法」の違い
「音階」と「旋法」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、音楽における音の選び方に関する言葉であることは同じで、場合によっては同じ意味で使われることもあるものです。
しかし、厳密には意味が違います。
その違いを正確に表現するのは文字が足りないので、簡単に表現するとすれば、「音階」のどの音から始まってどんな音を通るかと言う方法論が「旋法」であると言えるでしょう。
実際には、「旋法」の方が古くからある言葉なので、たとえば、「旋法」の音を整理して分かりやすく並べたのが「音階」というほうが近いかもしれません。
つまり、「旋法」のほうがはるかに種類が多いのです。
まとめ
この記事では、「音階」と「旋法」の違いを、解説してきました。
この2つに関しては、今では違いをはっきり言える人は音楽学校の関係者だけかもしれません。
特に「旋法」という言葉は、音楽のことを話していたとしても、めったに出てくる言葉ではないので、意味がわからない人も多いでしょう。
しかし、実際には音楽を聴いて感じたことの多くの要素は「旋法」からきているとも言え、そういう意味では、知らなくても感じている言葉と言うこともできるでしょう。