「愚痴」と「弱音」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「愚痴」と「弱音」の違い生活・教育

この記事では、「愚痴」「弱音」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

愚痴と弱音の違い

「愚痴」とは、言っても仕方がないことを嘆くことです。

「弱音」「よわね」と読む場合は、力のない物言いや意気地のない言葉のこと、「じゃくおん」と読む場合は、よわい音、小さい音のことを意味します。

この記事では「よわね」と読む意味で解説をしていきます。

「愚痴」「弱音」では、何を言っているのかが違います。

「愚痴」は言っても仕方がないことです。

満員電車がつらいといっても、自分でできることといったら通勤時間を変える、通勤の手段を変えるなどで、自分自身の力で電車内の人の数を減らすことはできません。

そのため、満員電車に乗らざるを得ないような状況なら、つらいといっても仕方がないことです。

「弱音」は、言っても仕方がないことなのかは問うていません。

力がない物言い、つまり声が小さかったり、はっきりしない話し方だったりすることを指しています。

また、やりとげようと頑張る気持ちが感じられない言葉のことも意味します。


愚痴と弱音の使い方の違い

「愚痴を聞いてくれる?」とはいいますが、「弱音を聞いてくれる?」とはあまりいいません。

「愚痴」は誰かに聞いてもらいたいものです。

言っても仕方がないことを嘆いても状況は変わらないかもしれませんが、愚痴を言うことで言った本人は気持ちが楽になることがあります。

「愚痴を聞いて欲しい」のように自分から「愚痴」という言葉を使うこともあるし、「また愚痴を言っている」のように「愚痴」を聞く相手側が使うこともあります。

「弱音」は積極的に誰かに聞いてもらいたいものではありません。

「弱音」は、それを聞く側が使うことが多い言葉です。


愚痴と弱音の英語表記の違い

「愚痴」は英語で“idle complaint”と表記をします。

「弱音」は英語で“complain”と表記をします。

愚痴の意味

「愚痴」とは、言っても仕方がないことを言って嘆くことです。

「仕方がない」には、どうすることもできないという意味があります。

「嘆く」とは、悲しむこと、かなわないことがあってため息をつくことです。

明日はゴルフだから晴れて欲しいと思っていたのに、天気予報では雨の予想だった。

それを「何で雨なんだよ」「楽しみにしていたゴルフができないじゃないか」など言っても雨から晴れに変えることはできず、仕方がないことです。

こういったことが「愚痴」です。

愚痴の使い方

「愚痴」という言葉は日常的にさまざまな場面で使われています。

たとえば職場です。

同僚に「愚痴を聞いてよ」と使っている人は少なくないことでしょう。

仕事をしていると、自分ではどうしようもないことに直面することがあります。

上司の小言、お客様からのクレーム、仕事の量が多いなどに嘆きたくなってきます。

こういったことを嘆いても状況が好転するわけではありませんが、誰かに嘆きを聞いてもらいたくなります。

そんなときに「愚痴」という言葉が使われることが多いです。

しかし、「愚痴」を聞く方は楽しい気分ではありません。

そのため「また愚痴かよ」と思われてしまう可能性があります。

愚痴を使った例文

・『あの人は愚痴ばかり言う』

・『愚痴を言ってすっきりした』

・『子どもが勉強をしないと愚痴を言う』

・『物価が高くて愚痴を言いたくなる』

・『愚痴を聞く方はつらい』

愚痴の類語

「ぼやく」が類語です。

「ぼやく」とは、ぶつぶつと独り言のように嘆くことを意味します。

愚痴の対義語

嘆くの対義語の近い言葉が喜びなので、「愚痴」の対義語は「喜び」になります。

弱音の意味

「弱音」とは、力がない物言い、意気地を感じられない言葉のことです。

「力」には複数の意味がありますが、「弱音」が意味する「力」とは、迫力、気力のことです。

力がない物言いは、強く迫る力がない言い方、何かを行おうとする精神力が感じられない言葉、何かを行おうとする精神力を感じられない言葉遣いのことを意味します。

「意気地」とは、ことをやり遂げようとする気力のことです。

やり遂げようと頑張ろうとする気持ちが感じられない言葉が「弱音」です。

弱音の使い方

意気地がないことは、世間一般では望ましいこととされていないため、「弱音」は積極的に言いたいものではなく、積極的に聞いて欲しいものでもありません。

そのため「弱音」を言う本人が「弱音を聞いて欲しい」と言うことは少ないです。

「弱音」「吐く」といいます。

どちらかというと、「弱音」という言葉は、それを聞く周囲の人が使うことが多い言葉です。

弱音を使った例文

・『弱音を言ってなんていられない』

・『また弱音を言ってるよ』

・『弱音何て言っていないで頑張りなさい』

・『弱音を誰かに聞いて欲しい』

・『弱音を吐けるような気を許せる友達がいない』

弱音の類語

「泣き言」が類語です。

弱音の対義語

「強気」が対義語です。

まとめ

どちらの言葉も何かを言う意味が含まれていますが、何を言っているのか意味が違う言葉です。