「大目付」と「目付」は江戸時代に存在した武士の役職です。
2つの役職にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「大目付」と「目付」の違いを解説します。
「大目付」とは?
「大目付」とは、「大名や朝廷などを監視する役職」です。
「大目付」の使い方
江戸時代の徳川政権は諸藩によって支えられる幕藩体制を敷いていました。
各藩の大名には高度な裁量権が与えられていましたが、諸般の大名を管理監督する目的で設置された役職が「大目付」です。
「大目付」の任務は簡単に言えば謀反の監視です。
諸大名が幕府に対して謀反を起こす動きがないかどうかを観察し取り締まるのが主な仕事内容で、支配体制が完成しなくていなかった江戸時代初期には重要な役職でしたが中期以降になると支配体制が完成し重要性は薄れ名誉職のような扱いになります。
老中の配下で役高は3000石と町奉行や勘定奉行と同格です。
「目付」とは?
「目付」とは、「旗本や御家人など直参の武士を観察する役職」です。
「目付」の使い方
江戸時代の徳川幕府に設置された役職の一つで、簡単に言えば武士を取り締まる役職です。
旗本や御家人など幕府直参の武士に不正や悪行がないかを観察し取り締まることを任務とし、幕府の内部を支える人員を統治するための役職であることから強い権限が認められていました。
城内では身分に関わらず帯刀が禁止され脇差のみですが、「目付」の一部は任務上必要であることから例外的に城内でも二本挿しが認められています。
「大目付」と「目付」の違い
大名を監視するのが「大目付」、直参の観察を監視するのが「目付」と取り締まる対象が異なります。
「大目付」も旗本なので「目付」の監察対象です。
「大目付」が監視する大名とその家臣は幕府の直参ではないので「目付」の監察対象には含まれません。
「大目付」の例文
・『大目付を拝領する』
・『大目付が主人公の時代劇』
「目付」の例文
・『武士を取り締まるのは目付の役目である』
・『目付には強い捜査権が認められている』
まとめ
「大目付」と「目付」は役目が大きく異なります。
仕事の内容も対象も異なるので混同しないでください。