この記事では、「基本」と「原則」の違いを分かりやすく説明していきます。
「基本」と「原則」の違い
「基本」と「原則」の違いについて紹介します。
「基本」と「原則」の使い方の違い
「基本」は、「ものごとの中心と考えられているもの」に使われます。
あるものの軸となり、それを元にして考えるものごとを表します。
「原則」は「特別な場合を除き、一般的に適用されている守るべき決まり」に使われます。
多くの場合に適用される決まりですが、例外もあることを表します。
「基本」と「原則」の英語表記の違い
「基本」の英語表現は「basic」で、「基礎となる」というニュアンスで、「basically(基本的に)」と使われることも多くあります。
“She has a good basic education of English.”
(彼女は良い英語の基本教育を受けている)
“I basically agree with your idea.”
(私は基本的に君の提案には賛成だ)
「原則」の英語表現には以下の2つがあります。
1つ目は「as a general rule」で、「一般的な決まりとして」というニュアンスです。
“As a general rule, it is not allowed to wear a sneaker in this hotel.”
「原則としてこのホテルではスニーカー禁止です」
2つ目は「in principle」で、やや硬い意味の「原則として」になります。
“In principle, you cannot cancel your order after applying.”
(原則として、受付後は注文を取り消せません)
「基本」の意味
「基本」は「きほん」と読みます。
意味は、「判断・行動・やり方などのよりどころとなる、中心的な考えのこと」です。
何かをする時に中心となり、全てそれを元にして繰り広げるもののことを言います。
例えば、英語を学ぶ場合には「アルファベット」が「基本」になり、そのアルファベットを色々と組み合わせて英単語になるのです。
同じ様に、スポーツでも「基本」となるものに「型」があります。
野球やテニスの素振り、水泳の泳ぎ方、武道の構えや技など、全て「基本となる型」があるのです。
「基本」は、何かの大元になる、そのものを表す言葉です。
「基本」の使い方
「基本」は、名詞・形容動詞として使われる他に、「基本的に」と副詞として使われることも多くあります。
「〇〇は基本である」と文章中に使われることもあれば、「基本的に〇〇である」と、前置きとして使うこともあるのです。
カジュアルな場面で使うと堅苦しくなることもあります。
また、「基本」と言っても自分だけがそう思っていて、他の人はそう思っていないこともあるので注意が必要です。
「基本」を使った例文
・『トレーニングは強い肉体を作る為の基本だ』
・『人には自分らしく生きる為に基本的人権という権利がある』
・『常に基本に忠実なプレイを心掛けている』
・『迷った時には基本に立ち返った方が良い』
・『基本的にはおっとりしている性格だが、こだわりが強い面もある』
「基本」の類語
・「基礎(きそ)」
あるものごとを成り立たせる土台の部分のことを言います。
・「根本(こんぽん)」
ものごとが成り立っている、一番底になっている部分のことで、「木の根元」に例えた表現です。
「基本」の対義語
・「応用(おうよう)」
知識や原理を、実際の事柄に当てはめて使うことを言います。
「原則」の意味
「原則」は「げんそく」と読みます。
意味は「特別な場合を除き、一般的に共通して守らなくてはいけない決まりのこと」です。
「決まり」として存在していて、多くの人達に周知されている事柄です。
ただし、「原則」はあくまで「元になる決まり」であり、例外もあります。
例えば、「原則として通行禁止」という道路がある場合でも、消防車や救急車など、緊急車両は通行可能になる場合が多くあります。
普段は守るべきですが、誰もが納得でき理由があればその限りではないのです。
「原則」の使い方
「原則」は、「ルールはあるが絶対ではない時」に使います。
あるルールや決まりを伝える時に、「原則として~である」「原則~となっている」「~が原則だ」などと使います。
相手に対して「状況次第では例外もありえます」という意味も含んでいるので、相手の事情や立場も尊重していることが伝わります。
「原則」を使った例文
・『原則として会員以外は利用できません』
・『制服着用が原則だが、直行の場合は考慮されます』
・『貴重品は原則持ち込みご遠慮ください』
・『トイレは原則休憩時間にご利用下さい』
・『クレジット払いが原則になっております』
「原則」の類語
・「本来(ほんらい)」
元々はそうであることを言い、現在は変わっている時に使われます。
・「規定(きてい)」
ものごとを一定の形式に収めることを言います。
「原則」の対義語
・「例外(れいがい)」
一般的な例に当てはまらないことを言います。
まとめ
今回は「基本」と「原則」について紹介しました。
「基本」は「ものごとの中心と考えられているもの」、「原則」は「特別な場合を除き、一般的に適用されている決まり」と覚えておきましょう。