「俗人的」と「属人的」はどちらも「ぞくじんてき」と読む言葉です。
読み方が同じ2つの言葉ですがどのような意味の違いがあるのでしょうか。
今回は、「俗人的」と「属人的」の違いを解説します。
「俗人的」とは?
「俗人的」とは、「世俗にまみれた人のようであること」を意味する言葉です。
「俗人的」の使い方
取り立てて特別でも高貴でもなく人並みの欲を持つ人のことを「俗人」といいます。
「俗人的」は俗人のようであることを指す言葉で、一般的には浮世に良く馴染み世間ずれしている人のようであることを表す意味で使います。
人と違う特別な気品や見るべき知性のない品位に欠ける様子を表す言葉として使うことが多く、あまりいい意味では使われないネガティブなニュアンスを含む表現です。
「属人的」とは?
「属人的」とは、「一般化されておらず個人に強く依存していること」を意味する言葉です。
「属人的」の使い方
物事が特定の人物と強く結びつきその人なしには成り立たない様子を表します。
コンビニの仕事はマニュアル化されているのでどんな人でもマニュアルに従えば作業をこなせます。
誰でもできるコンビニの仕事のように標準化されていない、特定の人にしかこなせないような状態を指す言葉が「属人的」です。
個人の資質や能力に強く依存している物事に対して用いられる表現で、その人がいないと成立せず他の人が代わりになれないような状態を指します。
特別な技術や才覚など標準化されることなくその人頼りになってしまう様子を「属人的」と表現します。
「俗人的」と「属人的」の違い
世俗にまみれた人物のようであるのが「俗人的」、特定の人に強く依存して代わりがいないのが「属人的」という違いで区別されます。
「俗人的」の例文
・『俗人的な物言いに顔をしかめる』
・『俗人的なふるまいを諌める』
「属人的」の例文
・『属人的な仕事が増えると流動性が失われる』
・『属人的にならないように定期的に担当を入れ替える』
まとめ
「俗人的」と「属人的」は同じ読み方でも意味は全く異なります。
取り違えることのないようにそれぞれの正しい意味を覚えておきましょう。