「製鉄業」と「鉄鋼業」はどちらも鉄を扱う事業を指す言葉です。
2つの言葉はどのような違いで使い分けられているのでしょうか。
今回は、「製鉄業」と「鉄鋼業」の違いを解説します。
「製鉄業」とは?
「製鉄業」とは、「鉄鉱石から鉄を取り出す事業」を指す言葉です。
「製鉄業」の使い方
我々がさまざまなものに使用している鉄は鉄鉱石と呼ばれる原料から作られています。
鉄鉱石をドロドロに溶かし不純物を取り除いて銑鉄を作り出す事業を「製鉄業」といいます。
鉄鉱石を溶かして含まれる鉄を抽出するには高温が必要です。
「製鉄業」の施設には鉄鉱石を溶かすための溶鉱炉が設置され、鉄鉱石と燃料となるコークスを一緒に炉の中に入れて高温に加熱しドロドロに溶かして純度の高い鉄を取り出します。
「鉄鋼業」とは?
「製鉄業」とは、「鉄を原料に使用しさまざまな材料や製品などを作る事業」を指す言葉です。
「鉄鋼業」の使い方
鉄を原材料に使い鉄製品や合金などを作る事業を指します。
鉄を加工して板材や棒材など使いやすい形に加工するほか、他の金属と混ぜて合金を製造する事業や金属材料を使った金属製品をつくる事業も含みます。
「製鉄業」と「鉄鋼業」の違い
鉄鉱石から鉄を取り出すのが「製鉄業」、鉄をさまざまな製品に加工するのが「鉄鋼業」という違いで区別されます。
「製鉄業」が自然から採掘された鉄鉱石から金属材料になる鉄を作る事業を指すのに対し「鉄鋼業」は「製鉄業」により鉄鉱石から取り出された鉄を原料に使って製品を作る、というのが2つの事業の違いです。
採掘された鉄鉱石は「製鉄業」によって鉄を抽出されてから「鉄鋼業」でさまざまな製品に加工されるという流れで利用されます。
「鉄鋼業」は「製鉄業」を含む意味で使うこともあります。
「製鉄業」の例文
・『溶鉱炉は製鉄業の心臓部だ』
・『製鉄業は国の根幹を支える産業である』
「鉄鋼業」の例文
・『鉄鋼業が人類の発展を支えている』
・『鉄鋼業の規模が国力を測る目安になる』
まとめ
「製鉄業」と「鉄鋼業」は同じ鉄を扱う事業でも大きく異なります。
どのような形で鉄と関わっているのかを基準に区別してください。