数学で使用される用語の中にはどういう説明を聞いてもわからないものがあります。
たとえば、集合における「写像」といわれてもさっぱりです。
これは一体どう言う意味なのでしょうか。
関連する言葉である「射影」とはどう違うのでしょうか。
この記事では、「写像」と「射影」の違いを分かりやすく説明していきます。
「写像」とは?
「写像」とは、簡単な意味から複雑な意味まで、さまざまな分野で使われますが、特徴的なものとしては、高等数学の集合の世界で使われる言葉です。
意味としては、ある集合と別の集合の間に1対1の対応が成立しているという状態を表しています。
英語では「mapping」と言います。
「射影」とは?
「射影」とは、どこかの方向から物体に光をあてて、その影を映し出すことをいう言葉です。
リレーショナルデータベースの操作で言えば、オリジナルの表形式のデータから、その一行だけを取り出すことを表します。
英語では、「projection」と言います。
「写像」と「射影」の違い
「写像」と「射影」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、前述のように、集合、関数、データベース操作など、特殊な分野で使用されるものですが、最近では、これを説明するためにあるような言葉がよく聞かれるようになりました。
それは「プロジェクション・マッピング」です。
これは、大規模な映写機で立体物に画像や動画を投影することを意味します。
実はこの言葉は日本語にすると「射影によって写像を見せる」という意味になるのです。
つまり、「射影」というのは「写像」の見せ方の一つと言ってもよいのです。
例えば、赤い正方形の映像を球形の物体に映し出す場合、正方形の4つの頂点は、球体の斜め上と下あたりにそれぞれ対応する点を見つけられます。
それが「写像」です。
そして、物体が球なので、位置によって、正方形は縦に長い長形に見えたり、横に長い長方形に見えたり、台形に見えたりします。
それが「射影」です。
まとめ
この記事では、「写像」と「射影」の違いを、解説してきました。
ここで説明に使用した、「プロジェクション・マッピング」は、実はいろいろなことを説明できる非常に便利な題材なのです。