この記事では、「写経筆」と「小筆」の違いについて紹介します。
写経筆とは?
写経筆とは、写経のために工夫された筆のことをいいます。
写経は仏教において経典を書写することで、昔は印刷の技術が発達していなかったので仏法を広める目的に行われていました。
日本でも仏教の伝来と共に写経が行われるようになります。
現在は、信仰や供養以外にも心を落ち着けるため等リラクゼーションの1つとして行うこともあります。
写経筆には和筆(日本産)と唐筆(中国産)があり、イタチやウサギ、タヌキ等の毛が使われます。
中国で紫毛と呼ばれるウサギの毛は非常に貴重で、穂先が鋭いため楷書の美しい線を書くのに向いています。
小筆とは?
小筆は書道で使われる筆の一種で、手紙などを書く際に用いられる細い筆のことをいいます。
筆には軸の太さによって号数があり、1号から10号までに分かれています。
1番太い1号は、軸の太さが15. 0㎜あります。
1号から4号までが太筆です。
5号から7号までが中筆で、8号から10号までが小筆になります。
8号の軸の太さは6. 7㎜で、最も細い10号は5. 5㎜となっています。
小筆は細筆と呼ばれることもあります。
小筆は使用されている毛の種類や柔らかさ、穂の長さ等違いがあります。
書き心地などもそれぞれ違っています。
写経筆と小筆の違い
書道用の筆のうち号数が8号から10号までが小筆です。
そのうち写経用に工夫されている筆が写経筆になります。
写経では小さい文字を連続して書き続けるので、連続して文字を書きやすいようになっています。
また、筆には軸の太さに対して穂の長さにより、長峰・中峰・短峰の3種類があります。
小さい文字を楷書で書く写経に向いているのは、穂が短いものです。
そのため写経筆の穂は、短峰になっています。
まとめ
写経筆は小筆のうち、写経に用いられる小さい楷書の文字を連続して書きやすいように工夫されている筆です。