説明文や解説文でよく使われる表現として「上述」と「上記」という言葉があります。
よく似た意味を持つこの2つの言葉、何を基準に使い分ければいいのでしょうか。
今回は、「上述」と「上記」の違いを解説します。
「上述」とは?
「上述」とは、「以前に述べたこと」を指す言葉です。
「上述」の使い方
思ったことや感じたことを言葉にして表すことを「述べる」と言います。
口に出して言うことのほか文字で書いて表す行為も含みます。
「上述」は文章で使われる表現で文章中の上で述べたこと、つまり今の時点よりも前に述べた内容を表す言葉です。
同じ文章の中で先ほど登場した内容や前に説明した内容など一つの文章で同じ内容が再び取り上げられるときに用います。
「上記」とは?
「上記」とは、「前に記してあること」もしくは「上に記してあること」を指す言葉です。
「上記」の使い方
文字を書きつけて内容をとどめておくことを「記す」といいます。
「上記」の「記」は記すことを意味しています。
文章構成では先に書かれたことを「上」と表現するので文章の中で先に登場した内容や前に書かれた内容を示す時に使う言葉が「上記」です。
一般的には文章中で先に登場する内容を指しますが、新聞の紙面など物理的な位置関係で上に来ている内容を指すこともあります。
「上述」と「上記」の違い
「上述」と「上記」の違いは「事実かどうか」です。
「上述」が考えたことや抱いた想いなど個人の感想にも用いられるのに対し、「上記」は起きた出来事やデータなど客観的な事実を表す時に使うという違いがあります。
「上述」の例文
・『上述した内容が私の気持ちの全てである』
・『上述した内容に沿って進めていくつもりだ』
「上記」の例文
・『当日は上記のものを持参する』
・『上記の事項に1つでも当てはまる人は参加できません』
まとめ
同じような意味を持つ「上述」と「上記」ですが事実かどうかを基準にして使い分けられています。
基準に従って正しい表現を使い分けてください。