物事の原因になにかがあることを示す言葉として「起因」があります。
また、同じような言葉で「帰因」というものもあります。
この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「帰因」と「起因」の違いを分かりやすく説明していきます。
「帰因」とは?
「帰因」とは、「何かの原因が別の何かに帰結する」という意味で使用される言葉です。
多くのケースでは後述の「起因」と全く同じ用法、意味であるのが現在の状況です。
一方、「帰因」という言葉は、コンピュータなどで変換しようとしても出てこない場合が多く、多くの書籍の辞書に載っていないことから誤記であるという見方もされています。
ある段階で、「起因」と「帰着」や「帰結」を混同した人が間違って記述したということででしょうが、実際には「帰因」が特に訳文などに出現するのは少なくとも100年以上前なので、単に誤記とも言えません。
「起因」とは?
「起因」とは、「何かの原因が別の何かにある」という意味で使用される言葉であり、「この成功は多くのひとの努力に起因しています」のように、結果と原因を並べて記述するのが普通です。
「帰因」と「起因」の違い
「帰因」と「起因」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、何かの原因になっているもののことを表す言葉で、ほとんどのケースは置き換え可能で、事実上同じ意味で使われています。
「帰因」の誤記説に関しては、すでに述べた通りで、ここでは文字の意味としての違いを考察します。
すなわち、「帰」と「起」の違いと言うことになります。
「帰因」には何かに「帰着」する原因というニュアンスが含まれ、「起因」には、ストレートに「何かが起きた原因」というニュアンスが含まれます。
このために、「この嵐は蝶に起因します」という表現は意味が通りますが、「この嵐は蝶に帰因します」というのは、本来なら「この蝶は嵐の帰因になります」というのが正しかったと思われますが、現在ではその違いはなくなっていると考えられます。
まとめ
この記事では、「帰因」と「起因」の違いに関して説明してきました。
前述のように。
「帰因」の「誤記説」に関しては、様々な見方がありますが、言葉は文化であり、常に変化、あるいは進化しているのは当然なので、本来はなかった言葉が普通に使えるようになったり、本来とは違う意味で使われるようになるのは「ヤバい」の例を持ち出すまでもなく事実なのです。