簿記を学習してまずわからなくなるのが、「貸方」と「借方」という名称と、それぞれに仕分けする内容が感覚的に一致しないことです。
よく理解すればわかるのですが、会計の中で作成する残高試算表の「借方残高」と「貸方残高」はどう違うのでしょうか。
この記事では、「借方残高」と「貸方残高」の違いを分かりやすく説明していきます。
「借方残高」とは?
「借方残高」とは、会計上で作成される「残高試算表」において、左側の「借方」にそれぞれの勘定科目ごとの残高として記載されるものです。
科目としては現金、売掛金、当座預金、定期預金などがあります。
英語では「debit balance」と言います。
「貸方残高」とは?
「貸方残高」とは、会計上で作成される「残高試算表」において、右側の「貸方」にそれぞれの勘定科目ごとの残高として記載されるものです。
科目としては、買掛金、借入金のほかに資本金や利益なども含まれます。
英語では、「credit balance」と言います。
「借方残高」と「貸方残高」の違い
「借方残高」と「貸方残高」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、会計作業の中でさくせいされる残高試算表の中に残高として明確に記載されるものであり、それぞれの勘定科目の端的な状況を表しているという部分は同じです。
違いは「借方」と「貸方」のどちらに残高が記載されるのかということになります。
それは、とりもなおさず、会社の健康状態と言えます。
たとえば、「借方残高」に記載されるのは現金、預金、売掛金などの簡単に現金化でき、支払いに使用できるものであり、「貸方残高」に記載されるのは買掛金、借入金などの今後出てゆくお金に関するものです。
これらは貸借対照表に転記され、会社の重要な財務諸表になります。
まとめ
この記事では、「借方残高」と「貸方残高」の違いに関して説明してきました。
これらの言葉は、どんな会社や個人事業主にも基本的で必要な処理である「残高試算表」の作成の肝となるものです。
現在では、細かいことは知らなくても、クラウドのツールや会計の専門家にまかせることもできます。
しかし、これらの基本的な仕組みを知ることは将来を考えるうえでも重要なことです。