この記事では、「一向一揆」と「土一揆」の違いについて紹介します。
一向一揆とは?
一向一揆とは、室町時代から戦国時代にかけて起こった一向宗(浄土真宗)の門徒による一揆のことをいいます。
一向宗(浄土真宗)を信仰する武士や農民により、近畿や北陸、東海地方で起こった一揆になります。
加賀の一向一揆が最も有名です。
加賀の国では、守護大名である富樫政親が一向宗の弾圧を行っていました。
それに門徒達が反発し、富樫政親を滅ぼします。
それ以降、織田信長に鎮圧されるまで門徒達による自治が100年も続きました。
また、加賀以外にも越中一向一揆や享禄・天文の乱、三河一向一揆などもあります。
土一揆とは?
土一揆とは、室町時代の中期から後期にかけて起こった農民による一揆のことをいいます。
農民が幕府や守護など支配者に年貢の減免や徳政を求めるために起こしたものです。
徳政とは、土倉と呼ばれる金融業者に対して幕府や守護が債権の放棄を求めることをいいます。
そのため土一揆は、徳政一揆と呼ばれることもあります。
主な土一揆には、正長の土一揆や嘉吉の徳政一揆、山城土一揆などが挙げれます。
その中でも正長の土一揆は、農民が初めて起こした一揆として知られています。
凶作や疫病などで社会が不安定になっていた中、借金苦に耐えかねた農民が土倉や酒屋、寺院などを襲ったのが始まりです。
一向一揆と土一揆の違い
一向一揆は、一向宗(浄土真宗)の門徒が起こした一揆です。
僧侶だけではなく、一向宗を信仰する武士や農民、商人なども加わりました。
それに対して土一揆は、農民が起こした一揆になります。
土一揆には、その土地の地侍などが加わったりもしました。
一向一揆で有名なのは加賀の一向一揆ですが、その目的は宗教的な弾圧に対抗するためでした。
土一揆の目的は、年貢の減免や徳政などです。
まとめ
一向一揆は一向宗(浄土真宗)の門徒が起こした一揆ですが、土一揆は農民が起こした一揆です。