「紳士淑女諸君」という表現は、一時よく使われていましたが、いまではほとんど見る事がなくなっています。
それは、どう見ても古い表現に見えてしまうからでしょう。
他にも、もっと古そうな「諸賢」という言葉もありますが、どう違うのでしょうか。
この記事では、「諸賢」と「諸君」の違いを分かりやすく説明していきます。
「諸賢」とは?
「諸賢」とは、「しょけん」と読み、「あなた方」という意味で丁寧さを含む二人称表現です。
「賢」はもともと「賢い」という意味で、そこから相手を敬う接尾辞として使われるようになったものなので、「諸賢」にも目上の人たちを敬うニュアンスが含まれています。
「諸君」とは?
「諸君」とは、「しょくん」と読み、「あなた方」という意味で丁寧さを含む二人称表現です。
「君」という字が目下の人に対して愛情を込めて使用するものなので、「諸君」にもそのようなニュアンスが含まれます。
「諸賢」と「諸君」の違い
「諸賢」と「諸君」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは複数の人たちを呼ぶときの総称として用いられる言葉ですが、その相手の立場と、使用されるシチュエーションが違います。
つまり、「諸賢」が使用されるのは、相手が自分よりも目上の人たちであり、文章としては古い文体の中です。
一方、「諸君」が使用されるのは、相手が自分と同等か、目下の人たちに対してであり、シチュエーションはちょっとだけ改まった文章の中です。
いまでは、両方ともあまり使われなくなっていますが、特に「諸君」は昭和の時代には軽い文章やドラマの中でも頻繁に使用されていました。
まとめ
この記事では、「諸賢」と「諸君」の違いを、解説してきました。
このような二人称の古い表現には他にも「諸兄」「諸姉」「諸子」などたくさんあります。
同じように一人称の表現にも、「我輩」「小生」「拙者」などがありますが、普通に使われているのは「小職」「自分」くらいでしょうか。