この記事では、「海藻」と「海草」の違いを分かりやすく説明していきます。
「海藻」とは?
「海藻」とは、文字通り海の中で育つ藻類を指す言葉です。
藻類とは葉・茎・根の区別がつかず、かつ種子によって繁殖するのではなく、胞子によって繁殖するのを特徴とすえる植物です。
普段、私達が食用とする「海藻」は、その色によって「紅藻類」・「褐藻類」・「緑藻類」の3種類に分類されています。
「紅藻類」の代表としては、アサクサノリやところてんの材料であるテングサがあり、「褐藻類」の代表としては昆布・わかめ・もずく・ひじき等が上げられ、「緑藻類」としてはアオノリ類や海ブドウが上げられます。
先に「海藻」は葉・茎・根の区別がつかないと記しましたが、昆布などには、根もあり茎もあるではないかと疑問に思われる方が居られるかも知れません。
昆布の根に見える部分は、岩などに単にくっついて流されないようにするためのもので、一般的な草木が養分や水分を土中から吸い上げるための器官でである根とは、異なるものなのです。
「海草」とは?
「海草」とは、海の草と表記される様に、海に生息する草を指す言葉です。
草の特徴は、花を咲かせ、種子を作り、それによって子孫を生み出す点です。
また根や茎や葉の区分もしっかりと分かる特徴もあります。
「海草」で最も有名なのは、アマモですが、「海草」は世界中でも種類が少なく60種類程度しかないと言われています。
「海藻」と「海草」の違い
「海藻」と「海草」はいずれも海の中で育ち、光合成を行っていると言う共通点があります。
しかし「海藻」は海に育つ「藻類」であり、葉・茎・根が明確に分化しておらず、繁殖は胞子によると言う特徴を有しています。
それに対して「海草」の方は、葉・茎・根が明確に分化しており、また繁殖は花を咲かせ、種子を作る事で行うと言う特徴を持っており、正確な分類では明らかに違いがあるのです。
また日本で食用に供されている「海藻」だけでも、100種類余りありますが、「海草」で食用にされているものはありません。
しかし、「海草サラダ」と「海草」を使っている例をしばしば見かけます。
これは、広義の意味では「海藻」も含めた海の植物全体を「海草」と呼ぶ事があるからです。
しかし言葉に厳しいNHK等の見解では、狭義の「海草」と、「海藻」をしっかり区分するために、字幕等では「海藻サラダ」を使用されているとの事です。
まとめ
「海藻」と「海草」は同音異義語です。
「海藻」は海に育つ「藻類」であり、葉・茎・根が明確に分化しておらず、繁殖は胞子によると言う特徴を有しています。
それに対して「海草」の方は、葉・茎・根が明確に分化しており、また繁殖は花を咲かせ、種子を作る事で行うと言う特徴を持っており、明らかに異なる種類です。
しかし「海草サラダ」のように、実際は「海藻」なのに、「海草」を使う例も見受けられます。
これは、広義の意味では「海藻」も含めた海の植物全体を「海草」と呼ぶ事があるからです。