「印籠」と「引導」には、どのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「印籠」と「引導」の違いを分かりやすく説明していきます。
「印籠」とは?
「印籠」は、印が入った籠と書きます。
事実、その漢字の通り小箱を意味する「印籠」。
腰に下げて持ち運ぶことのできる三重ないし五重の小箱で、形は長円筒形。
室町時代に印や印肉を入れていた容器で、その後、江戸時代に薬を入れるようになったものとなります。
表面には漆が塗られ、蒔絵や螺鈿、堆朱などの細工が施されています。
また、緒には緒締め、根付があります。
基本的には、このような作りになる「印籠」ですが、小さめの容器であれば、「印籠」と呼ぶことも多く素材も用途によって異なります。
紙製のものもあれば、木製、金属製などもあります。
「印籠」の言葉の使い方
「印籠」は、時代劇の名台詞として「この印籠が目に入らぬか」があります。
そのほか、「印籠を渡す」や「印籠刻み」、「印籠決り」、「印籠継」、「印籠漬」、「印籠蓋」などといった言葉があります。
「引導」とは?
「引導」は、導いて引くと書きます。
「引導」は仏語となり、衆生を導いて悟りの道に入らせることを意味します。
そのほか、葬儀の際に導師が棺の前に立ち、死者が悟りを得るように法語を唱えることも「引導」と言います。
これら、仏語以外の意味としては、一般的に用いられる意味として、先に立って導くことといった意味があります。
「引導」の言葉の使い方
「引導」の最もポピュラーな使い方は「引導を渡す」です。
この場合の意味は、相手に対し諦めるように宣告することを意味します。
そのため、「引導を渡された人」は、諦めるように言われた人となります。
「印籠」と「引導」の違い
「印籠」と「引導」は、全く異なった意味を持つ言葉となります。
「印籠」は小箱のこと。
「引導」は仏語となり、一般的には先に立って導くことといった意味がある言葉となります。
まとめ
以上のように、全く異なった意味を持つ2つの言葉となります。