「因習」と「伝統」の違いとは?分かりやすく解釈

「因習」と「伝統」の違いとは?違い

「因習」「伝統」はどちらも古くから受け継がれているものを表す言葉です。

この2つはどのような意味の違いがあり何を基準に区別されるのでしょうか。

今回は、「因習」「伝統」の違いを解説します。

「因習」とは?

「因習」とは、「古くから伝わるしきたりのうち悪い要素を含むもの」を指す言葉です。


「因習」の使い方

古くから伝わり固定化している決まりや様式のことを「習慣」といい、習慣の中でも特に民族や地域の間で伝わる土着的なものを「しきたり」といいます。

しきたりの中には好ましいものばかりでなく悪い要素や害を含むものもありますが、そのような負の要素を含むしきたりを指す言葉が「因習」です。

生きている人を生贄にささげるような悪い要素を持つしきたりが「因習」に当たります。

習慣として根付いていても大きな弊害をはらむため近代化とともにその多くは見直し、あるいは廃止されています。


「伝統」とは?

「伝統」とは、「先人から受け継がれてきた思想や行動規範」を指す言葉です。

「伝統」の使い方

歴史的に伝わるものの中には自然のうちに根付いているものと人が意識して後世に伝えていくものの2種類があります。

人からから人へと代々受け継がれていく考えや様式が「伝統」です。

「因習」と「伝統」の違い

過去から現在へと受け継がれていく習慣のうち悪い要素を含むものが「因習」、先人から次代へと意識して受け継いでいくものが「伝統」という違いで区別されます。

「伝統」はしきたりや習わしを受け継ぐこともありますが、代々受け継がれる「伝統」の中に弊害を含む要素があれば「因習」に当たります。

「因習」の例文

・『因習が批判される』
・『長子相続が因習であるとは言い切れない』

「伝統」の例文

・『伝統文化の担い手として期待される』
・『伝統の手法で作られた工芸品』

まとめ

「因習」「伝統」は悪い要素を含むかどうかで区別されます。

時代によって考え方が変わることもあるので一概に判断するのではなくその時の情勢や事情を考慮して区別しましょう。

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