「訴求」と「提案」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「訴求」と「提案」の違い生活・教育

この記事では、「訴求」「提案」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「訴求」と「提案」の違い

「訴求」とは、商品を宣伝したり、売ったりして、購入する人の購入したいという気持ちに働きかけることです。

「提案」とは、考え、計画、意見などをある場所に差し出すことです。

「訴求」の場合は、購入する人への働きかけです。

素晴らしい商品があっても、それを多くの人に知ってもらわないと購入者はなかなか増えないことでしょう。

広告を出したりすれば、商品に対してお金を出して購入するであろう人たちの買いたい気持ちが高まることが期待できます。

そのための働きかけを意味する言葉です。

「提案」の場合は、計画や意見などを出すことです。

単に出すことであり、誰かに働きかけるという意味は含まれていません。

ある商品の売れ行きが悪いので、何か対策できないかと会議が開かれることになりました。

その会議で、「こうしたらいいのでは」という案を出しました。

この案を出すことを意味する言葉です。


「訴求」と「提案」の使い方の違い

買いたい気持ちに働きかけることについて「訴求」を使用します。

考えや意見などをある場所に出すことについて「提案」を使用します。


「訴求」と「提案」の英語表記の違い

「訴求」は英語で“solicitation”“sales drive”と表現をします。

「提案」は英語で“proposal”“suggestion”と表現をします。

「訴求」の意味

「訴求」とは、商品の宣伝をしたり、商品を売ったりして、お金を出して買ってくれるであろう人の買いたい気持ちに働きかけることです。

コーヒー飲料を販売しているあるメーカーは、新しく従来のコーヒーよりも薄い味のコーヒーを販売することにしました。

このコーヒーは、コーヒーを飲み慣れていない若い年齢層の人や自宅で働く人、24時間交代勤務をしている人などを主なターゲットにしています。

これまでコーヒーを飲んでいなかった人は、コーヒーを飲み慣れていない人でも飲みやすい味のものが販売されても、もともとコーヒーに興味がないので、手に取ろうとは思わないことでしょう。

そこで、広告活動などを行います。

CMを流したり、インターネットで情報を流したりして、それを消費者が見ることで、買いたい気持ちが高まってきます。

これは、買いたい気持ちに訴えているということができます。

このように消費者に働きかけることを意味する言葉です。

購入してくれるであろう人の買いたい気持ちに働きかけることで、子どもがお母さんに「買って」と訴えるようなことではありません。

小さな子どもは欲しいものがあるとき、「買って、買って」と駄々をこねることがあります。

お母さんに訴えていますが、この訴えることを意味する言葉なのではありません。

広告などの手段を使って、消費者に働きかけることを意味する言葉です。

「訴求」の使い方

商品の宣伝活動などによって、商品に対して代金を支払ってくれるであろう人たちの買いたい気持ちに働きかけることについて使用をします。

気持ちに働きかけることですが、対象となるのは消費者です。

子どもが親に訴えることではありません。

商品を売る側が使うことが多い言葉で、買う側が使うことは少ないです。

また、日常の会話の中で使われることは少ないです。

「訴求」を使った例文

・『お腹の調子を改善することを訴求している』
・『プロ仕様のシャープペンシルであることを訴求している』
・『バナーを使用して訴求する』
・『低カロリーでも食事を楽しめることを訴求する』

「訴求」の類語

「訴える」が類語です。

音・光・ニオイなどを感じる働きや、物事に対して起こる気持ちに働きかけることという意味があります。

「訴求」の対義語

対義語はありません。

「提案」の意味

「提案」とは、考え、計画、意見などを、ある場所に出すことです。

たとえば、普段運動をしない人がいたとします。

運動をあまりにもしないため、体脂肪率が気になります。

そこで、「少し外で歩こう」ということをその人に対していいました。

「少し外で歩こう」というのは意見です。

意見をある人に対して出しているので、これは「提案」ということができます。

普通にバナナを食べることに飽きてしまった人もいることでしょう。

バナナはさまざまな食べ方をすることができます。

たとえば、一口大に切って冷凍庫に入れて凍ったまま食べる、バナナジュースにする、ヨーグルトに加える、バナナパンケーキにする、アルミ箔で包んで焼くなどです。

こういった食べ方は案ということができます。

このように案を出すことを意味する言葉です。

誰かに対してやある場所に出すことで、忘れないようにメモしておくなどのことではありません。

メモしただけでは、案を知っているのは自分だけで、誰にも話していないし、どこかに出してもいません。

このようなことを意味する言葉ではないです。

「提案」の使い方

考えや意見などをある場所に出すことについて使用をします。

出すという意味が含まれているので、考えているだけでどこにも出していないことには使用しません。

日常生活の中では、いろいろと考えや意見などを出しています。

「散歩をしたら」「こんどどこかに出かけよう」などもそうです。

日常的に使われている言葉です。

「提案」を使った例文

・『新しい食べ方を提案する』
・『シミ対策のためのスキンケア方法を提案する』
・『旅行を提案する』
・『専門家が提案をしている』

「提案」の類語

「提出」「提議」「提言」が類語です。

「提出」には、書類や資料などをある場所に出すという意味があります。

公の場所に出すことについて主に使われます。

「提議」には、会議などに決定するための議案を出すことという意味があります。

「提言」とは、考えや意見などを口に出すことです。

主に会議で出すことをいいます。

「提案」の対義語

対義語はありません。

まとめ

「訴求」は消費者の感情に訴えること、「提案」は案を出すことで、2つの言葉が意味しているものはまったく違います。