「賃借」と「賃貸」はどちらも貸し借りに関する言葉です。
具体的にどのような行為を指しどういった基準で使い分けられているのでしょうか。
今回は、「賃借」と「賃貸」の違いを解説します。
「賃借」とは?
「賃借」とは、「お金を払って借りること」を意味する言葉です。
「賃借」の使い方
返すのを前提に一時的に使用権を譲り受けて使うことを「借りる」といいます。
「賃借」は金銭を支払って物品を借りることを表す言葉です。
物品を借りる場合は無償で借りられることもありますが「賃借」は対価として金銭を渡して借りる行為のみを指すためタダで借りる場合は含みません。
一般的には営利行為として行われる貸し出し事業を利用して借りる「レンタル」や「リース」を指す表現です。
「賃貸」とは?
「賃貸」とは、「お金をもらって貸すこと」を意味する言葉です。
「賃貸」の使い方
返却を前提に所有物の利用権を一時的に譲り渡すことを「貸す」といいます。
対価として金銭を徴収して貸す行為を「賃貸」といいます。
一般的には営利事業としてある程度長期的に貸し出す場合に使われることが多く、特に不動産を有償で貸し出す時に用いられる表現です。
「賃借」と「賃貸」の違い
どちらも金銭を対価にする物の貸し借りを指す言葉ですがお金を払って借りるのが「賃借」、お金をもらって貸すのが「賃貸」という借りる側と貸す側の違いで使い分けられます。
レンタカーを例にするとお金をもらって車を貸し出すレンタカーの所有者から見ると「賃貸」で、お金を払って車を借りる利用者から見ると「賃借」になります。
本来は正反対の意味を持つ言葉ですが「賃借」と「賃貸」のどちらも「金のやり取りを伴う物の貸し借り」という同じ意味で使われることがあるので注意が必要です。
「賃借」の例文
・『賃借料を払う』
・『購入ではなく賃借で済ませる』
「賃貸」の例文
・『賃貸物件を探す』
・『駐車場を賃貸に出す』
まとめ
「賃借」と「賃貸」は正反対の意味でありながら同じような意味合いで使われることもあります。
混同しやすいのでそれぞれの正しい意味を理解した上で文脈に合わせて解釈してください。