公に何かの言い訳をするときによく使用される言葉に「諸般の事情」とか「諸事情」という言葉があります。
あまり意識して使い分けられているようには見えませんが、違いはあるのでしょうか。
この記事では、「諸般の事情」と「諸事情」の違いを分かりやすく説明していきます。
「諸般の事情」とは?
「諸般の事情」とは、「いろいろな事情」という意味の言葉で、何かが思い通りにいかなかったことを外部に向けて発表するような時に使用されます。
「諸」には「様々な」という意味があり、「般」には「一般」「全般」で使われているように「種類」という意味があるので、合わせて「様々な種類の事情」ということになります。
「諸事情」とは?
「諸事情」とは、やはり「いろいろな事情」という意味で使用される言葉で、言い訳をするときに使用されます。
「諸」には「諸々の」とか「様々な」という意味があるので、それに「事情」が付いたものとなります。
「諸般の事情」と「諸事情」の違い
「諸般の事情」と「諸事情」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、共に「いろいろな事情で」という意味の言葉で、主に言い訳をするときに使われるということは全く同じで、多くの場合は入れ替えても意味は通じます。
しかし、ニュアンスの違いはあります。
それは、要は「諸般」と「諸」の違いなのですが、「諸事情」には、「様々な事情」というニュアンスしかないのですが、「諸般の事情」には、「いろいろな種類の事情」というニュアンスが出てきます。
つまり、ある映画の公開日が一ヶ月伸びた理由が、「撮影が遅れた」「アフレコに時間がかかった」「編集をやり直した」というようなものなら種類は多くないので「諸事情」ですが、「撮影が遅れた」「公開直前に災害があった」「出演者が事件を起こした」といった場合は、理由の種類が多いので「諸般の事情」と言えるでしょう。
まとめ
この記事では、「諸般の事情」と「諸事情」の違いに関して説明してきました。
「諸般の事情で延期になりました」や「諸事情で中止になりました」というのは実によく聞きますが、よく考えると、これは「理由は言えません」ということを表明しているとも言えます。