この記事では、「胸像」【きょうぞう】と「銅像」【どうぞう】の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「胸像」とは?意味
人物の胸から上だけを彫刻にしたものを「胸像」【きょうぞう】といいます。
全身を形作るのではなく、胸と頭部だけを彫刻することで、その人の感情や表情をうまく表せるのです。
「胸像」の歴史は古く、ギリシアでは5世紀に制作されており、皇帝や行政官が自分の顔を作らせて飾ることが流行りました。
その後、フィレンチェ派の彫刻家がこぞって制作し、世に発表するルネサンス時代が訪れます。
銅を使うことなく、絵で人の胸から顔を描き出す方法も多く取り入れられ、実際にこのような人物がいたことを後世に伝えるわけです。
「銅像」とは?意味
青銅という銅合金で作るのが「銅像」【どうぞう】であり、耐久性を持たせています。
含まれている銅は8割ほどとすることで、人物の形作りやすくなるわけです。
人物のシワが彫りやすくなったり、細い毛が再現しやすいなど加工しやすいわけです。
また、耐摩耗性や被食性などさまざまな性能が向上して、紫外線や熱にも強くなるため何十年とその形を維持できます。
この「銅像」では、人物や動物の頭から足までの全身を形作るときに選ばれる方法であり、頑丈であるため大きなサイズにも適しています。
「胸像」と「銅像」の違い
「胸像」と「銅像」の違いを、分かりやすく解説します。
西洋美術では、人物の表現方法として「胸像」が多く制作され、宮殿に歴代の王の頭部を並べることがあります。
ルネサンス時代には多くの「胸像」が生まれ、その後、明治以降には日本にもこの方法での制作が広まり、政治家や著名人の頭部を「胸像」にしました。
もう一方の銅合金を使い、大きなサイズの人物像や動物の形を作るときに適しているのが「銅像」です。
躍動感ある動きを表現しやすく、表情も豊かに出せるところが人物や動物の動きをうまく表せます。
多くが青銅と合金を採用している「銅像」が多く、耐久性にも優れているため長く野外で飾るときに使われている像です。
まとめ
どちらも人物や動物の形を表すとき使われている言葉ですが、その素材や大きさに違いがありますので、実際に見比べてみるといいでしょう。