ヒップホップミュージックの特徴の一つが、即興的なパフォーマンスです。
そして、その時に使用されるのが「トラック」や「ビート」と呼ばれるインストゥルメンタルのバック音源です。
この記事では、「トラック」と「ビート」の違いを分かりやすく説明していきます。
「トラック」とは?
「トラック」とは、英語の「track」のことで、陸上競技ではレーンに分かれた走行エリアのことで、ヒップホップミュージックにおいては、バックで流れるインストゥルメンタルの音楽のことを言います。
そもそもは、音楽全般において制作時にマルチトラックレコーダーで録音するときの個別の録音単位のことを示す言葉として使われたもので、トラック1はドラム、トラック2はベース、トラック3はギターのように使用されます。
ここから転じて、ボーカルやDJというリアルタイム要素を除いたトラックの全体を「トラック」と呼ぶようになりました。
「ビート」とは?
「ビート」とは、ヒップホップミュージックにおいては、バック音源として使用するリズムのことを示す言葉です。
元々は、「心臓の鼓動」の意味であり、音楽においては、「拍子」や「拍」のことを表す言葉です。
例えば、4拍子は4ビートと言います。
ここから転じて、拍子、あるいはリズムを強烈に感じる音のことを言うようになりました。
「トラック」と「ビート」の違い
「トラック」と「ビート」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つはヒップホップミュージックにおいて、ラップやDJを乗せるためのバックとなる音源のことを指すもので、例えばトラックメーカーとビートメーカーという表現のように、ほぼ同じ意味で使用されることもあります。
しかし、根本的な違いは、「ビート」が主にリズムを刻む部分の音のことをいうのに対して、「トラック」は「ビート」を含む音源全体のことを言います。
したがって、楽器で言えば「ビート」はドラムとベースが中心で、「トラック」には、それに加えてギター、キーボードなどが含まれます。
まとめ
この記事では、「トラック」と「ビート」の違いを、解説してきました。
このように、ヒップホップミュージックにおいて、「トラック」と「ビート」という言葉が混同して使用されている背景には、ヒップホップの「トラック」で最も大きな比重を占めるのが「ビート」つまり、永遠に続いてゆく鼓動であるからです。
ここには、何があろうと今生きていて、これからも生きてゆくという意志も感じることができます。