「陰ながら」と「影ながら」は双方とも「かげながら」と読む言葉ですが、それぞれ意味の違いはあるのでしょうか。
この記事では、「陰ながら」と「影ながら」の違いを分かりやすく説明していきます。
「陰ながら」とは?
「陰ながら」は「ひそかに」「見えないところで」を示す言葉です。
漢字の「陰」には「日陰」や「人知れず」「静的な」「マイナスの」などの意味があり、「ながら」は「そのままで」や「として」といった意味が含まれています。
「影ながら」とは?
「影ながら」は上記で紹介した「陰ながら」の誤用表現です。
「陰ながら」と読み方は同じですが、「影」という字には「人目につかない」「人知れず」に該当する意味が含まれていないことから、「影ながら」を「ひそかに」「見えないところで」という意味で使用することは適切ではありません。
「陰ながら」と「影ながら」の違い
「陰ながら」と「影ながら」の違いを分かりやすく解説します。
「陰ながら」は「人目につかないところで」「見えないところで」という意味を持つ表現で、「表立ってではなくひそかに」や「裏方として」といった様子を示す際に使用します。
一般的には、心の中で誰かのことを応援したり、支持したりなど控えめながらもポジティブな意思を表す際に使用され、「〇〇さんのご活躍を陰ながら応援しております」や「彼女の成功を陰ながら祈っています」などのように使われます。
一方、「影ながら」は「陰ながら」を取り違えた誤用表現です。
「影」には「光が反射して映る物の色や形」、「ものが光を遮ることで生じる黒いフォルム」「不吉な前兆」などの意味がありますが、「人目につかない」「ひそかに」といった意味は含まれていません。
また、「陰」は「視覚でとらえられない所」を表しますが、「影」の場合は光が入らない場所ではあるが視覚でとらえられる範囲を示す意味合いもあります。
このため、「影ながら」を「裏方として」や「見えないところで」という意味で使用することは不適切とされています。
まとめ
「陰ながら」は「ひそかに」や「人目につかない」を示し、「影ながら」は「陰ながら」の誤用表現となります。
両者共に読み方が同じですが、「陰」と「影」が持つ意味の違いも理解して、混同しないよう注意しましょう。
ぜひ言葉の知識を深める参考にしてください。
