この記事では、「激烈」と「鮮烈」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「激烈」と「鮮烈」の違い
「激烈」とは、とても激しいことです。
「鮮烈」とは、色や形がはっきりしていて目立つことです。
どちらの言葉にも、はげしいという意味を持つ漢字の「烈」が使用されており、2つの言葉には程度がはなはだしい、激しいという意味が含まれています。
しかし、「烈」の前についている漢字が違い、言葉の意味にも違いがあります。
「激烈」には、はげしいという意味を持つ漢字の「激」が使用されています。
つまり、はげしいという意味を持つ漢字が2つ使われていることになるのです。
このことからもわかるように、「激烈」は激しいこと、程度がはなはだしいことを意味しています。
「鮮烈」には、あざやか、はっきりしているという意味を持つ漢字の「鮮」が使用されています。
このことから、「鮮烈」には鮮やかさが激しい、つまり鮮やかではっきりしている、目立つという意味があることがわかります。
「激烈」と「鮮烈」の使い方の違い
非常に勢いが強いこと程度がはなはだしいことについて「激烈」を使用します。
色や形などがはっきりしていることについて「鮮烈」を使用します。
どちらも並みのことではなく、程度がはなはだしいことに使用されます。
「激烈」と「鮮烈」の英語表記の違い
「激烈」は英語で“violent”や“furious”と表現をします。
「鮮烈」は英語で“vivid”と表現をします。
「激烈」の意味
「激烈」とは、とても勢いが強いこと、程度がはなはだしいことです。
怪我をして皮膚を縫うとき、通常は麻酔をかけます。
麻酔なしで皮膚に縫い針が刺さると、とても痛いことでしょう。
叫びそうになるほど痛いはずです。
ちょっとすり傷をつくる、包丁でちょっとだけ手を切るといった程度の痛みではありません。
麻酔なしで皮膚を縫われるのは非常に痛く、我慢できないほどです。
それくらいの強さを意味する言葉です。
スポーツの試合で、両者が同じくらいの実力を持っているとき、激しい戦いを見せてくれることがあります。
サッカーの場合だと、激しくボールのとりあいをする、ゴールをきめそうになるけれど阻止される、選手同士の体が接触するなどあるでしょう。
親が小さな子どもに向かってサッカーボールを蹴るような穏やかさはなく、力の限りを出して、激しく戦います。
これほどまでの激しさを意味する言葉です。
「激」も「烈」もはげしいという意味を持つ漢字で、はげしいが2つ重なっている言葉なので、非常に激しいことを意味しています。
たとえば、転んですり傷ができると痛いですが、我慢できないほどではありません。
このような程度のことを指す言葉ではなく、もっと程度がはなはだしいことを指しています。
怪我のことでいうと、麻酔なしで皮膚を切ったり、皮膚を縫ったりすることや、ぎっくり腰で動けなくなるようなほどの程度のことです。
「激烈」の使い方
非常に勢いが強いこと、程度がはなはだしいことについて使用をします。
強さや程度について使用することが多く、数がものすごく増えることについては、あまり使用しません。
程度がはなはだしいとはどれくらいなのか、具体的な定義はありませんが、日常生活で頻繁にみられるほどの程度ではないことを主に指しています。
「激烈」を使った例文
・『激烈な販売競争が繰り広げられている』
・『激烈な戦いが見どころの映画』
・『選手たちの激烈な争いを見逃せない』
・『激烈な痛みに耐える』
「激烈」の類語
「強烈」「猛烈」が類語です。
「強烈」には、力や作用がとても強く激しいという意味があります。
「猛烈」には、勢いが強くて激しいという意味があります。
自然現象のことにも使われる言葉です。
「激烈」の対義語
「穏やか」が対義語です。
落ち着いていて静か、のどかという意味があります。
「鮮烈」の意味
「鮮烈」とは、色や形などがはっきりとしていて、強さがあり、目立つことです。
初めてのことは、はっきり覚えていることが珍しくありません。
たとえば、好きな人と初めてデートをしたとき、初めて就職をしたときなどです。
そのときに見たことを、色や形をはっきり覚えていて、まるで目の前にあるかのように頭の中に思い描くことができます。
このような鮮やかなことを意味する言葉です。
野球の試合で開幕戦でいきなりある一人の選手が2つも3つもホームランを打ったら、その映像は頭に強く残ることでしょう。
頭に強く残るということは、その様子を細かなところまで思い出せるほど、そのときの色や形などがはっきりとしているということです。
そういったはっきりしたさまを意味している言葉です。
顔の印象が薄い人は、普段から会っていても、思い出そうとしたときに顔を思い出せないことがあります。
顔の形をはっきり覚えていないため、はっきり思い出すことができません。
このようなぼんやりした状態を意味する言葉ではありません。
「鮮烈」の使い方
色や形がはっきりしていて目立つこと、強烈であることについて使用をします。
印象について使われることが多く、「鮮烈」は強くて忘れられないような意味を込めて使われることがあります。
嫌なことがあって忘れられないという意味ではなく、鮮やかで忘れられない意味です。
ぼんやりしていること、曖昧なことには使用しません。
「鮮烈」を使った例文
・『鮮烈に記憶に残っている』
・『鮮烈な印象を残した』
・『最も鮮烈であるといわれている』
・『鮮烈な印象を残して引退する』
「鮮烈」の類語
「鮮やか」「くっきり」が類語です。
「鮮やか」には、色や形がはっきりしていて目立つ、容姿がとても美しい、技術や動作が上手であるという意味があります。
「くっきり」は、色や輪郭などがはっきりしていることです。
「鮮烈」の対義語
「ぼんやり」が対義語です。
色や形などがはっきりしないという意味があります。
まとめ
激しいという意味を含んでいる2つの言葉です。
「激烈」は並大抵ではない激しさのこと、「鮮烈」は鮮やかさのことで、意味が違います。