この記事では、「部下」と「同僚」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「部下」と「同僚」の違い
「部下」と「同僚」は、どちらも会社で一緒に働く人の関係を表す用語ですが、定義は異なります。
「部下」は社内で自分よりも職位が下にある人のこと、「同僚」は自分と同じ職位についている人のことです。
「部下」と「同僚」の使い方の違い
「部下」と「同僚」は、どちらも同じ会社で働いている人を表す時に使いますが、対象が異なります。
自分よりも職位が下で自分の指示に従って行動を取る社員は「部下」と呼び、自分と同じ職位にある社員のことは「同僚」と呼びます。
「部下」と「同僚」の英語表記の違い
英語表記した場合、「部下」は“Subordinate”、「同僚」は“colleague”や“co-worker”となります。
ただし、他国では社員を「部下」と呼ぶ概念がないため、実際に“Subordinate”(下位)という単語が使われることはほとんどありません。
部下にあたる社員を呼ぶ際には「一緒に働く仲間」というニュアンスで“our staff”や“my Team member”を用いるのが一般的です。
「同僚」を意味する“Subordinate”はスキルの水準が同レベルの人、“co-worker”は同じ職場の仲間を指す時に使われます。
「部下」の意味
「部下」とは組織において、ある人の下に属している人のことです。
一般には同じ会社に勤務する人の間柄を表し、ある人から見て、自分より職位が下で自分の指示を受けて行動を取っている人を「部下」と呼びます。
「部」は組織という意味を、「下」は「ほかのものより低い所にある」という意味を持ちます。
その「部」と「下」を組み合わせた「部下」は「組織の中で、あるものに比べて低いところに存在するもの」を意味しているのです。
自分より年上の人でも先に入社した人でも、職位が下にあって指示を受ける立場にあるならば、その人は自分の「部下」となります。
「部下」の使い方
一般には、自分より職位が下にある社員のうち、同じ部署内で直に指示を受けて行動する社員を「部下」と呼びます。
たとえば、ある会社の同じ部署に「課長」「係長」「一般社員」が属して仕事をしているならば、一番職位が下にある「一般社員」は「課長」や「係長」の「部下」にあたります。
「係長」は自分より職位が上にある「課長」の「部下」です。
また、ある会社に派遣されてきた「派遣社員」がその職場の「課長」や「係長」の指示を受けて働く場合も、派遣されている間は「課長」「係長」の「部下」となります。
「部下」を使った例文
・『山田課長は部下に慕われている』
・『その仕事は部下に任せておこう』
・『素晴らしい部下を持って、私は幸せ者だ』
・『部下のミスは私に責任があります』
・『あの部下はやる気が感じられない』
「部下」の類語
「部下」の類義語には「配下」【はいか】があります。
「配下」は、ある人(組織)の下に属する人(組織)のことです。
また「部下」と同じ意味とはいえませんが「臣下」「側近」も似た意味合いを持ちます。
「臣下」【しんか】君主に使える人
「側近」【そっきん】権力者のそばで仕える人
ちなみに、ある人の指示に従って行動する者は「手下」【てした】とも呼ばれますが「手下」は、悪の組織で使われる言葉のため「部下」の代わりには使いません。
また、後から組織に入った人を「後輩」【こうはい】とも呼びますが「部下」と「後輩」は意味が異なります。
「後輩」は職位に関係なく、自分より職歴が浅い人を指します。
「部下」の対義語
「部下」の対義語は「上司」【じょうし】です。
会社の中で、自分よりも職位が上にある人を指す時に使います。
「同僚」の意味
「同僚」とは、同じ会社で一緒に仕事をしている人達のことです。
一般には、職位が同じ人を指して使われます。
「同」には、別のものではない、物事を共有するもの、という意味があり、「僚」には仲間という意味があります。
その「同」と「僚」を組み合わせた「同僚」は「物事を共有する同じ立ち場の仲間」を表しています。
必ずしも入社時期や年齢が同じではなくとも「同僚」となります。
「同僚」の使い方
「同僚」は、ある人が、同じ会社に勤務している同じ職位の人を呼ぶ時、第三者に紹介する時に使われます。
たとえば、同じ会社で一緒に働く一般社員のAさんとBさんは、お互いに「同僚」の間柄になります。
広義には、職位に関係なく一緒に働く仲間を指しますが、職位が同じ人を「同僚」と呼び、自分より職位が上の人ならば「上司」、職位が下にある人のことは「部下」と呼ぶのが一般的です。
「同僚」を使った例文
・『同僚と一緒にお酒を飲みに行く』
・『同僚の結婚式に招かれる』
・『山田君は私の同僚の中で一番優秀な人物だよ』
・『職場の同僚と気が合わない』
・『実は同僚の同僚とお付き合いしています』
「同僚」の類語
「同僚」の類語には「同輩」【どうはい】があります。
「同輩」は職位、地位、経歴が同じ人という意味です。
そのほか、全く同じ意味とはいえませんが「同僚」と近しいい用語に「同役」「僚友」「傍輩」などもあります。
「同役」【どうやく】同じ役目につく人
「僚友」【りょうゆう】職場の仲間
「傍輩」【ほうばい】同じ人の元で働く者同士
また「同期」【どうき】は、「同僚」のうち入社時期が同じ人を指します。
「同僚」の対義語
「同僚」の対義語は「上司」「部下」です。
「同僚」は同じ職位につく人を指すことから、職位が上にある「上司」と職位が下にある「部下」は、「同僚」と反対の意味を持つことになります。
まとめ
「同僚」と「部下」の違いを説明しました。
ビジネスシーンで使い方を間違えると恥ずかしい思いをすることがあります。
ぜひ正しい意味と使い分けの仕方を覚えておきましょう。