「指示」と「命令」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「指示」と「命令」の違いビジネス・就職・転職

この記事では、「指示」「命令」の違いを分かりやすく説明していきます。

「指示」と「命令」の違い

「指示」「命令」の違いについて紹介します。


「指示」と「命令」の使い方の違い

「指示」は、「言われた通りにできる様にすること」に使います。

必ずしもその通りにしなければならない訳ではなく、自分で考えて行動できることを表します。

「命令」は、「絶対に従わなければならないこと」に使います。

上から言われたことで、必ずその通りにしなければならないことを表します。


「指示」と「命令」の英語表記の違い

「指示」の英語表現は以下の2つです。

1つ目は「instruct」で、「指示する」「手引きする」という意味があり、名詞形は「instruction」です。

“He instructed me to send an e-mail to the vender.”
(彼は私に業者へメールを送る様に指示した)
2つ目は「direct」で、「指示する」「管理する」という意味があり、名詞形は「direction」です。

“Please follow the directions you will be provided.”
(これから出される指示に従って下さい)
「命令」の英語表現は以下の2つです。

1つ目は「order」で、一般的に「命令する」として使われます。

“My boss ordered me to solve the problem.”
(上司は私に問題を解決する様に命令した)
2つ目は「command」で、権力を持っている人が「命令する」というニュアンスで使われます。

“Our president commanded the employees to reduce overtime.”
(社長は従業員に残業を減らす様に命令した)

「指示」の意味

「指示」「しじ」と読み、以下の2つの意味があります。

1つめは「ものごとを指し示すこと」という意味で、実際に目の前にあるものを指して「それである」と示すことを言います。

2つ目は「ものごとのやり方を指し示すこと」という意味です。

ビジネスではこちらの意味で使われることが多く、「こうするべきである」と伝えることを言います。

ただし、強制的なものではなく、事実や検証に基づいて「この様にしなさい」と言うもので、同じ結果が得られる場合は自分で判断することもできるというニュアンスがあります。

「指示」の使い方

「指示」「ものごとのやり方を指し示すこと」に使われます。

「指示する・した」と助動詞を付けて使われたり、「指示を出す」と名詞として使われます。

主にビジネスで使われることが多く、主従関係、または経験値が高い・低い関係などに使われる言葉です。

基本的に「こうするべき」という意向であり、その中で自分なりに工夫して行動できることが多くなります。

ただし、スポーツでは「監督の指示」は絶対的なものになり、「命令」と同じ意味になります。

「指示」を使った例文

・『リーダーの指示に従って行動する』

・『上司からすぐに謝罪の電話を入れる様に指示された』

・『自分では判断できないので、上司からの指示を仰ぐ』

・『指示書通りにやってみたら意外に簡単だった』

・『指示に従わない者はレギュラーから外される』

「指示」の類語

「指図(さしず)」
ものごとのやり方などを示して計画通りに人を動かすことです。

「導く(みちびく)」
正しい方向に引き連れていくことです。

「指示」の対義語

「自己判断(じこはんだん)」 自分で見極めて行動することを言います。

「命令」の意味

「命令」には以下の3つの意味があります。

1つ目は「上の者が下の者に対して、あることをする様に言いつけること」という意味です。

日常的に使う場合にはこちらの意味が使われます。

2つ目は「法律用語として、人に対して義務を定めること」という意味です。

3つ目は「コンピュータで処理を実行させること」という意味です。

上記に共通するのは「上の立場、管理する立場の者が、下の人にものごとを実行させること」という意味です。

「命令」は、上下関係が存在する時に使われ、強制力を伴う言葉で、従わない場合には処分や罰則などが生じることもあります。

「命令」の使い方

「命令」は、「上の立場の人から下の人へ、任務を言い付けること」に使われます。

「命令する・した」「命令される・された」と、助動詞を伴ったり、受動態として使われます。

また、「命令を下す」「命令を受ける」などと、上下関係を表す動詞を伴って使われることもあります。

「命令」は法律用語としても使われることが多く「退去命令」「支払い命令」「賠償命令」など、人に対して何らかの法的義務を負わせることも表します。

「命令」を使った例文

・『上司が部下に命令する』

・『命令に従わないとクビになる可能性がある』

・『転勤は業務命令なので拒否できない』

・『あの人は上司でもないのにいつも命令口調だ』

・『休日出勤を命令された』

「命令」の類語

「指令(しれい)」
上の立場から下に指揮したり、役割を命じることです。

「言い付け(いいつけ)」
目下の者に「やりなさい」と伝えることです。

「命令」の対義語

「服従(ふくじゅう)」
他人の命令や意思に従うことを言います。

まとめ

今回は「指示」「命令」について紹介しました。

「指示」「言われた通りにできる様にすること」「命令」「絶対に従わなければならないこと」と覚えておきましょう。