この記事では、「虫」【むし】と「蟲」【むし】の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「虫」とは?意味
昆虫全般をまとめて「虫」【むし】といい、羽根で空中を飛べるものから地面を歩いて移動する生き物という意味があります。
たとえばバッタやイナゴ、蜂、ハエなどは飛んで餌となる稲や花などの植物を食す生き物です。
地面を歩くものには蟻やだんご虫、蜘蛛などがいて複数の脚が生えていることで壁や天井まではって歩けるものまでいます。
しかし、この言葉の元になるのは爬虫類の蛇であり、小さな昆虫は「虫」とは呼びませんでした。
時代とともに「蟲」と呼ばれていた生き物が「虫」と呼ばれるようになり、今にいたるわけです。
「蟲」とは?意味
たくさんの虫が集まってうごめくさまから、小さな昆虫を「蟲」【むし】と呼んでいました。
一箇所に集まり、餌に群がって食べるその姿から同じ漢字がいくつも集まった集合体として表す言葉です。
昔は両生類や爬虫類も「虫」の仲間に分類されていたため、これらの生き物が一箇所にうじゃうじゃと密集して群がるさまを表すので「蟲」と書いていました。
「蟲」には音読みで「虫」「ちゅう」と書く新字体を3つ合わせた漢字で構成されています。
「虫」と「蟲」の違い
「虫」と「蟲」の違いを、分かりやすく解説します。
節足動物のムカデや蜘蛛、いも虫の幼虫をまとめて「虫」と呼びます。
元々は、マムシを象形文字にした漢字でしたが、しだいに小さな昆虫類に使われるようになったのです。
また、日本では「蟲」と書いていましたが、近代以降に政府が誰でも覚えやすいよう漢字の簡略化を目指すようになったことで簡単に子供でも書ける「虫」にしたわけです。
もう一方の「蟲」は、明治時代前によく使われていた昆虫の総称です。
古文書には「毛蟲」や「羽蟲」といった呼び方していたことが書かれていて、人々の間ではこのように表現して書かれていました。
まとめ
どちらも同じ意味を持つ言葉ですが、現代では昆虫類を「虫」と呼んでいますが、昔は「蟲」と書いていたと覚えておくといいでしょう。