この記事では、「鷹の爪」と「唐辛子」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「鷹の爪」と「唐辛子」の違い
「鷹の爪」には、3つの意味があります。
1つめは、ウコギ科の落葉小高木です。
2つめは、赤く熟した、辛みの強い、トウガラシの一種です。
3つめは、茶の名前です。
「唐辛子」とは、ナス科トウガラシ属の植物です。
「鷹の爪」には複数の意味がありますが、トウガラシの一種が指しているものと「唐辛子」は、ほぼ同じです。
「唐辛子」とは、ナス科トウガラシ属の植物の総称で、さまざまな品種があります。
和名の「トウガラシ」というときは、C. annuumのことを指しています。
「鷹の爪」もこの中に含まれます。
漢字で「唐辛子」とするときは、植物としての和名では「トウガラシ」と呼ばれているものを指すこともあれば、香辛料の「唐辛子」を指すこともあります。
「鷹の爪」と「唐辛子」の使い方の違い
「鷹の爪」には、いくつかの意味がありますが、食用にされているものを指して、この言葉を使うことが多くあります。
「唐辛子」というときには、食用にされている辛みのあるナス科トウガラシ属の植物のことを指して使用されることが多くあります。
「一味唐辛子」や「七味唐辛子」などの、香辛料のことを指す場合もあります。
「鷹の爪」と「唐辛子」の英語表記の違い
「鷹の爪」は直訳すると“eagle talon”になりますが、英語圏でこのように呼ぶことはあまりないでしょう。
「唐辛子」は英語で“cayenne pepper”や“red pepper”と表現をします。
「鷹の爪」の意味
「鷹の爪」には、3つの意味があります。
1つめは、ウコギ科の落葉小高木です。
ウコギ科の植物には他に、ウコギ、コシアブラなどがあります。
ウコギ科の「鷹の爪」は、冬芽が鳥のタカの爪のような形をしており、このことが名前の由来とされています。
材木は白く柔らかく、箸・経木・燃料などに利用されています。
葉は三出複葉です。
柔らかな葉は食用にされます。
地域によって収穫される時期は異なりますが、旬は4月中旬ごろから5月初旬ころまです。
2つめの意味は、ナス科トウガラシ属の植物です。
実の形は細長く、熟したものは赤みが強く、長さは3~5cmになります。
辛みが強い特徴を持っています。
収穫は熟してから行われることが基本です。
乾燥させてから市場に流通します。
丸ごと、または輪切りや粉末にして使用をします。
さまざまな料理に活用されており、こんにゃく炒め、こんにゃく煮、きんぴら、担々麺などに使用されます。
直売所では、枝つきのものが販売されていることもあります。
一般的なスーパーなどでは滅多に見られません。
選ぶときには、果皮にツヤがあり、色が鮮やかなものがよいとされています。
乾燥させていないものは水分が多いため日持ちしませんが、乾燥したものは長期保存が可能です。
冷暗所で保存をします。
3つめの意味は、茶の名前です。
茶には、やぶきた、さやまかおり、おくみどりなど、いろいろな品種がありますが、そのようなものです。
茶の「鷹の爪」は爽やかな香りと甘味が特徴です。
「鷹の爪」の使い方
トウガラシの一品種のことを指して使用されることが多くあります。
料理に活用されることが多く、レシピに名前が登場します。
ウコギ科の「鷹の爪」は、「鷹の爪」が収穫されたり、食用にしている地域で主に使われてます。
茶の名前の意味では、茶店や茶を好んで飲む人の間で使われています。
「鷹の爪」を使った例文
・『料理に使おうと思ったら鷹の爪を切らしていた』
・『鷹の爪を買ってきて』
・『辛すぎて鷹の爪を食べられない』
・『おいしい鷹の爪ができました』
「鷹の爪」の類語
「トウガラシ」が類語です。
「鷹の爪」の対義語
対義語はありません。
「唐辛子」の意味
「唐辛子」とは、ナス科トウガラシ属の植物のことです。
多年草で灌木状になるのですが、日本などの温帯では寒いため一年草です。
トウガラシ属には20種類近くがありますが、和名で「トウガラシ」というときは、主にC. annuumのことを指しています。
生物学における学名は、二名法で表すことが一般的です。
二名法では、属名と種小名で生物名を表します。
C. annuumの場合は、CはCapsicumの頭文字で属名、annuumが主小名になります。
「唐辛子」には、さまざまな品種があり、ピーマン、パプリカ、シシトウなども含まれます。
辛みのない品種を甘トウガラシ、辛みのあるものを「唐辛子」と呼ぶことが一般的です。
辛みのあるものには、島とうがらし、ハバネロ、ハラペーニョなどがあります。
食用にされている「唐辛子」は実を使用しています。
熟したものは赤くなり「赤唐辛子」と呼び、未熟なものは緑色をしていて「青唐辛子」と呼びます。
乾燥させた「赤唐辛子」は香辛料をして使用されています。
乾燥したものは長期保存が可能です。
使用される主な料理には、キムチ、麻婆豆腐などがあります。
辛みのもとは、カプサイシンと呼ばれる成分によるものです。
甘い、酸っぱいなどは、舌にある味蕾が感じ取っている味ですが、辛みは味蕾が感じ取っているものではなく、痛覚が感じ取っているものです。
防虫効果があり、防虫剤として活用もされています。
また、動物の忌避剤としても活用されます。
「唐辛子」の使い方
ナス科トウガラシ属の植物のことを指して使用をします。
日常生活の中では、食用にしているもののことを指す場合が多いです。
防虫剤などの意味ではあまり使用しません。
「唐辛子」を使った例文
・『唐辛子は辛くて苦手だ』
・『なんでも料理に唐辛子を加える』
・『唐辛子の食べ過ぎで胃が痛い』
・『唐辛子を切らしてしまった』
「唐辛子」の類語
「トウガラシ」とカタカナで表記することがあります。
「唐辛子」の対義語
対義語はありません。
まとめ
「鷹の爪」は、ウコギ科の植物、ナス科の植物、茶といくつかの植物の名前として使用されていますが、このうちナス科植物の「鷹の爪」は「唐辛子」と同じような意味で使われています。