この記事では、「すじこ」と「いくら」の違いについて紹介します。
すじことは?
すじことは、サケやマスの卵巣に入った状態のままの卵のことをいいます。
また、それを塩漬けした加工食品のことを指す場合もあります。
すじこを漢字で書くと「筋子」ですが、筋のような卵巣膜に包まれていることからこのような名前が付きました。
すじこの歴史は古く、平安時代には醍醐天皇が食べたという話も伝えられています。
塩漬けにして食べるのが一般的ですが、醤油漬けや味噌漬けにしたものもあります。
生のまま食べることは少なく、スーパーマーケット等で販売されているものはほぼ加工品になっています。
加工していないすじこのことを生すじこという場合もあります。
また、東北地方などでは塩漬けなどにして加工したものをすじこと呼び、生のものは腹子(はらこ)と言ったりします。
すじこに使われる魚卵は、サケ科に属する魚のものです。
サケやマス、サーモン等があります。
いくらとは?
いくらはサケやマスなどの魚卵のことをいい、すじこから卵巣膜を取り除いたものです。
産卵する前の熟した卵を1粒ずつにしたもので、バラ子と呼ばれることもあります。
いくらの語源はロシア語で、魚卵とか小さく粒々したものという意味があります。
ロシア語の場合、サケやマス以外の魚卵もいくらに含まれます。
例えばキャビアはロシア語でチョールナヤ・イクラーと呼び、黒いいくらという意味になります。
いくらは醤油漬けにして食べることが多いですが、塩漬けにして食べることもあります。
いくらの醤油漬けが9割で、塩漬けは1割程度です。
いくら丼やいくらの軍艦巻きなどにも使われています。
いくらをそのまま食用にする国はあまり多くはありませんが、日本食ブームで寿司が広まったことからいくらも寿司ネタとして知られるようになりました。
いくらを模して作った人造いくら等もありますが、まだほとんど普及してはいません。
すじこといくらの違い
すじこといくらの違いは、卵巣膜を取り除いているかどうかです。
卵巣膜を取り除かずつながった状態になっているのがすじこで、卵巣膜を取り除いて1粒ずつバラバラになっているのがいくらになります。
それからすじこに使われる卵は、皮の柔らかい未熟なものが多いです。
成熟したものは皮が硬くなってくるので、いくらとして加工されます。
もっと成熟するとゴムのように硬くなり、食用には適していません。
ただし、水につけることで硬くなるので、取り出した直後は柔らかいです。
それからすじこは塩漬けにすることが多いですが、いくらは醤油漬けにすることが多いという違いもあります。
どちらも火を通さずに生のまま食べるのが一般的です。
まとめ
すじこといくらの違いは、卵巣膜を取り除いているかどうかにあります。
取り除いておらずつながった状態なのがすじこで、いくらは卵巣膜が取り除かれています。
それから加工する際に未成熟のものを使用することが多いのがすじこで、ある程度成熟した卵を使うのがいくらです。