この記事では、「親しみやすい」と「馴れ馴れしい」の違いを分かりやすく説明していきます。
「親しみやすい」と「馴れ馴れしい」の違い
「親しみやすい」と「馴れ馴れしい」の違いについて紹介します。
「親しみやすい」と「馴れ馴れしい」の使い方の違い
「親しみやすい」は、「相手が気さくで身近に感じること」に使われます。
初対面でも話しやすくて、一緒にいて安心していられる雰囲気を持っていることを言います。
「馴れ馴れしい」は、「遠慮が無さ過ぎて図々しく感じること」に使われます。
気さくなのは良いのですが、相手に対する敬意を感じない雰囲気を持っていることを言います。
「親しみやすい」と「馴れ馴れしい」の英語表記の違い
「親しみやすい」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「friendly」で、「友好的な」「気さくな」「親しみ易い」という意味があり、「フレンドリー」と日本語にもなっています。
“He is very frindly.”
(彼は非常に親しみやすい)
2つ目は「easy to talk to」で、「話しやすい」「話しかけやすい」=「親しみやすい」というニュアンスです。
“She is so easy to talk to.”
(彼女はとても気さくだ)
「馴れ馴れしい」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「over familiar」で、「過度に親しい」=「馴れ馴れしい」というニュアンスです。
“She is a little bit over familiar.”
(彼女はちょっと馴れ馴れしい)
2つ目は「saucy」で、「生意気な」「慣れなれしい」という意味です。
“The new emplyee is so saucy so I cannot put up with him.”
(新入し社員がとても馴れ馴れしくて我慢できない)
「親しみやすい」の意味
「親しみやすい」は「したしみやすい」と読みます。
意味は「相手が気さくで身近に感じられること」です。
話しやすかったり、明るい雰囲気であったりなど、一緒にいて緊張感や不安感を持たず、気持ちが楽な人のことを言います。
初対面の時だけではなく、何度か会っている中でも「付き合いやすい」という意味にも使われます。
「親しみやすい」は「親しみ」と「やすい(易い)」を組み合わせた言葉です。
「親しみ」は「付き合いやすい」「話しやすい」という意味、「易い」は動詞の連用形に付、「そうなる傾向にある」という意味、「親しみやすい」で「付き合いやすいかったり、話しやすい傾向にあること」になります。
「親しみやすい」の使い方
「親しみやすい」は、「相手が気さくで身近に感じられ、話しかけやすい、付き合いやすい様子」に使われます。
形容詞として文末に使われたり、「親しみやすい人」「親しみやすい名前」など名詞を修飾して使われたり、「親しみやすさ」と名詞として使われたり、「親しみやすく」と副詞として使われたりします。
「親しみ易い」は人以外に物や文章などにも使われます。
「親しみやすい標語」「親しみやすい見た目」など、「身近に感じられるもの」に幅広く使われる言葉です。
「親しみやすい」を使った例文
・『彼は初対面の時からとても親しみやすいと感じた』
・『上司は強面だが、実は非常に親しみやすい人だった』
・『商品のイメージアップの為に、親しみやすいコピーを付けたい』
・『この商品はもっと親しみやすい名前にした方がいいと思う』
・『先輩たちがとても親しみやすく、嫌な顔一つせずに質問に答えてくれた』
「親しみやすい」の類語
・「友好的(ゆうこうてき)」
「相手に対して好意的な態度や言動を取ること」という意味です。
「彼はライバル会社のスタッフにも非常に友好的に接してくれた」などと使われます。
・「人懐こい(ひとなつこい)」
「すぐに打ちとけて親しみやすい」という意味です。
「彼は人懐こい笑顔が魅力的で顧客を増やしている」などと使われます。
「親しみやすい」の対義語
・「突っ慳貪(つっけんどん)」
「無遠慮で態度が冷たい様子」という意味です。
「あの店のスタッフはいつも突っ慳貪だ」などと使われます。
「馴れ馴れしい」の意味
「馴れ馴れしい」は「なれなれしい」と読み、以下の2つの意味があります。
1つ目は「非常に親しげな様子」という意味で、お互いがよく知っていて、遠慮のない関係であることを言います。
2つ目は「無礼で遠慮がない様子」という意味で、相手に対して図々しい態度を取ることを言います。
「馴れる」は、「相手が身近に感じられ、親しみの気持ちを持つこと」「警戒心を抱かなくなること」という意味で、「馴れ馴れしい」と2つ重ねることで意味を強調して「過度に親しみやすいこと」になります。
「馴れ馴れしい」の使い方
「馴れ馴れしい」は、「非常に親しい様子」「無礼で縁量がない様子」に使われます。
形容詞として文末に使われたり、「馴れ馴れしい人」など名詞を修飾して使われたり、「馴れ馴れしく」と副詞として使われたり、「馴れ馴れしさ」と名詞として使われたりします。
相手に対してタメ口を訊いたり、プライベートなことまで質問してきたりなど、一緒にいて不快になる人に対して使われる言葉です。
「馴れ馴れしい」を使った例文
・『彼等は馴れ馴れしくニックネームで呼び合っていた』
・『新人が社長に対していきなり馴れ馴れしい口をきいたので驚いた』
・『タクシーの運転手が馴れ馴れしかったので、寝たふりをしていた』
・『美容院のスタッフがやたらと馴れ馴れしかったので苦痛だった』
・『彼女は帰国子女の為に馴れ馴れしいが、中々優秀だ』
「馴れ馴れしい」の類語
・「安易(あんい)」
「簡単にできること」「気楽であること」「いいかげんなこと」という意味です。
「彼女はいつも考え方が安易なので心配だ」などと使われます。
・「チャラチャラした」
「小さな金属片などがぶつかり合ったり、他の堅い物に当たったりした時の音」から転じて、「べらべら軽くしゃべる様子」「浮ついた態度や軽薄な言動」「服装が安っぽく派手な様子」という意味です。
「やたらとチャラチャラした男だが、ちゃんと仕事はできるらしい」などと使われます。
「馴れ馴れしい」の対義語
・「堅苦しい(かたくるしい)」
「気楽なところがなくて窮屈な様子」という意味です。
「堅苦しい挨拶は抜きにして始めましょう」などと使われます。
まとめ
今回は「親しみやすい」と「馴れ馴れしい」について紹介しました。
「親しみやすい」は「身近に感じること」、「馴れ馴れしい」は「図々しいこと」と覚えておきましょう。