同じ意味を持つ「偽」と「贋」は、どのように使い分ければ良いのか。
この記事では、「偽」と「贋」の違いを分かりやすく説明していきます。
「偽」とは?
常用漢字として用いられているのが「偽」です。
音読みで「ギ」。
訓読みで「いつわる」「にせ」と読みます。
意味は、いつわりや論理学である命題に対し事実に一致しないこと。
一般的に人間がつく偽りや嘘に対し「偽」が用いられます。
「偽」の使い方
「偽」を用いた言葉には、「偽物」や「偽証」、「偽造」、「偽名」、「偽善」、「真偽」などがあります。
「贋」とは?
「贋」、常用漢字ではありません。
音読みで「ガン」。
訓読みで「にせ」と読みます。
意味は、にせものです。
本物に真似て作ることを意味する言葉となります。
「贋」の使い方
「贋」を用いた言葉には、「贋作」や「贋札」、「贋造」、「贋金」、「贋物」、「真贋」などがあります。
「偽」と「贋」の違い
「偽」は一般的に用いられる常用漢字。
一方、「贋」は常用漢字外となり、その点に違いがあります。
そのうえで、「偽」は人間が作り出した嘘を指し、「贋」は、本物に似せて作ったものを指す漢字となります。
基本的に同じ意味を持ち、明確な使い分けはありません。
「偽」の例文
・『まんまと、悪徳業者に騙されて偽物を買わされてしまった』
・『このままでは、偽証罪に問われてしまいます』
・『彼は偽名を使って、パーティーに参加していました』
・『彼は間違いなく偽者です』
「贋」の例文
・『彼は商品を売るために、贋作に手を出してしまいました』
・『鑑定の結果、贋作だということが証明されました』
・『贋札を製造し彼は逮捕されました』
・『なぜ、彼は贋物を作ることに決めたのだろうか』
まとめ
以上が「偽」と「贋」の違いです。
常用漢字と常用漢字外といった違いがあるため、一般的に「偽」が広く用いられるといった傾向があります。
そのうえで、厳密に言えば、以上のような違いのある漢字となります。