「傾向」と「特徴」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「傾向」と「特徴」の違い生活・教育

この記事では、「傾向」「特徴」の違いを分かりやすく説明していきます。

「傾向」と「特徴」の違い

「傾向」「特徴」の違いについて紹介します。


「傾向」と「特徴」の使い方の違い

「傾向」は、「ものごとの大半がその様にしがちであること」に使われます。

大勢ある中の数多くが、特定の方向に選んだり、その様な考えを持つ性質があることを言います。

「特徴」は、「あるものに備わっている、特に目立つ性質」に使われます。

他のものと比較して際立っていることや、目立っている点などを言います。


「傾向」と「特徴」の英語表記の違い

「傾向」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「tend to」「~しがちである」「~する傾向がある」という意味です。

“Our boss tends understimate staff’s abilities.”
(私たちの上司は部下の能力を過小評価する傾向にある)
2つ目は「be prone to」で、主に好ましくないことに対して「~する傾向がある」という意味です。

“She is prone to make things big.”
(彼女はものごとを大袈裟にする傾向がある)
「特徴」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「characteristics」「特性」「特徴」という意味があります。

“This knife has many unique characteristics.”
(このナイフには幾つもの変わった特徴があります)
因みに、「性格」「character」で、「キャラクター」と日本語にもなっています。

2つ目は「feature」で、顔立ちなどぱっと見て目立つこと、商品やサービスで注意を引く「特徴」という意味があります。

“What is the unique feature of your new cellphone?”
(あなたの新しいスマホの特徴は何ですか?)

「傾向」の意味

「傾向」「けいこう」と読み、以下の3つの意味があります。

1つ目は「あるものごとに対して、その多くの動きが特定の方向にかたよりがちなこと」という意味で、何かをする時にだいたいそうなることを言います。

日常的にはほぼこちらの意味で使われます。

2つ目は「思想的にある方向、特に左翼的にかたよりがちなこと」という意味で、小説や演劇、パフォーマンスなどに使われます。

3つ目は「心理学用語で、ある一定の刺激に対して同じ様な反応を示す資質のこと」という意味です。

「傾」「かたむく」とも読み、「斜めになってその方に向かう」という意味、「向」「むく」とも読み、 「むき」「おもむき」という意味、「傾向」で、「その方に向かうおもむきがあること」になります。

「傾向」の使い方

「傾向」「あるものごとで、その大半が特定の動きにかたよりがちなこと」に使われます。

「傾向がある・ない」「傾向が見られる・見られた」などと使われたり、対象となる言葉と組み合わせて「上昇傾向」「増加傾向」など、複合語として使われることもあります。

「傾向」は、「その様になりがち」という意味であり、必ずしも全てがそうなるという意味ではありません。

「傾向」を使った例文

・『女性の社会進出が盛んになってから日本は少子化傾向にある』
・『彼女はすぐに人をマウンティングする傾向がある』
・『最近の若い人は『やばみ』『つらみ』など語尾に「み」を付ける傾向がある』
・『受験においては問題の傾向を調べて対策を練っておくことが大切だ』
・『高齢者と暮らしていると大声になる傾向がある』

「傾向」の類語

「風潮(ふうちょう)」
「風によって起こる潮の流れ」から転じて「時代の推移によって影響される世の中の方向性」という意味です。

「日本企業には年功序列の風潮がまだ根強く残っている」などと使われます。

「流れ(ながれ)」
「液体や気体が流れること」「流れるように次々と連なって移動するもの」という意味です。

「彼女は焦って説明しているせいか、話の流れが全くつかめない」などと使われます。

「傾向」の対義語

「臨機応変(りんきおうへん)」「臨機」「機に臨むこと」「応変」「変化に応じること」「臨機応変」「その場の状況に柔軟に応じて行動を変えること」という意味です。

「ビジネスマンは常に臨機応変に行動することが大切だ」などと使われます。

「特徴」の意味

「特徴」「とくちょう」と読みます。

意味は「他と比較して特に目立つ点や、それにしかない性質があること」です。

何もしなくても際立っている点があったり、他のものにはないそれだけが持つ独自の性質のことを言います。

「特」「他とは異なるそれだけ一つの様子」という意味、「徴」「隠された意味が現われること」という意味、「特徴」「他とは異なりそれにしかないものが、目立って現れること」になります。

「特徴」は、人や物に対して幅広く使われますが、「良い点」ばかりではなく「悪い点」も含む言葉です。

「特徴」の使い方

「特徴」は、「他と比較して目立つ点や、他にはない性質」に使われます。

「特徴がある・ない」と使われたり、「特徴的」と、「他にはない性質が目立つ傾向にある」という意味で使われたりします。

「特徴」と同じ読み方をする言葉に「特長」があります。

「特徴」「良し悪しに関わらず、目立つ点」に使われるのに対し、「特長」「特に良い点」に対して使われる言葉です。

「特徴」を使った例文

・『彼の声は非常に特徴があるので、電話がかかってくるとすぐに分かる』
・『たまたま現場にいた子供が、犯人の特徴を覚えていた』
・『彼の絵画は色使いが非常に特徴的で、海外でも注目されている』
・『このサービスの特徴は、縛りがなくいつでも解約できるという点です』
・『この2つの花を見分けるには葉っぱの特徴を覚えておくと良い』

「特徴」の類語

「持ち味(もちあじ)」
「その食べ物に元から備わっている風味」から転じて「ある人物や芸術作品などが持っている独特の雰囲気」という意味です。

「彼の楽曲の持ち味は、ヘタウマで誰にも真似出来ないところにある」などと使われます。

「個性(こせい)」
「個人または個体に備わっている特有の性質」という意味です。

「芸術のいては自分の個性を大切にするべきだ」などと使われます。

「特徴」の対義語

「平凡(へいぼん)」「これといったすぐれた特色もなく、ごく普通な様子」という意味です。

「コロナ禍のお蔭で平凡な生活が一番だと感じる」などと使われます。

まとめ

今回は「傾向」「特徴」について紹介しました。

「傾向」「大半がその様にしがちであること」「特徴」「あるものに備わっている、特に目立つ性質」と覚えておきましょう。