「平常」と「正常」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「平常」と「正常」の違い生活・教育

この記事では、「平常」「正常」の違いを分かりやすく説明していきます。

「平常」と「正常」の違い

「平常」「正常」の違いについて紹介します。


「平常」と「正常」の使い方の違い

「平常」は、「普段と変わりないこと」に使われます。

特に変わった出来事がなく、いつも通りにものごとが行われることを言います。

「正常」は、「普段と変わりがないこと」「正しくものごとが行われること」に使われます。

いつも通りという意味の他に、規範通りに正しく行われることも言います。


「平常」と「正常」の英語表記の違い

「平常」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「normal」で、「普通」「通常」「平常」という意味、副詞は「normally」になります。

「ノーマル」と日本語にもなっています。

“Normally we are open from 10 a. m. to 7 p. m.”
(平常の営業時間は10時から7時までです)
2つ目は「usual」で、「いつも」「日常」「平常」という意味があります。

“I woke up at seven as usual.”
(私は平常通り朝7時に起きた)
「正常」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「normal」「normally」で、「平常」と同じです。

“The system is back to nomal.”
(システムが正常に戻った)
2つ目は「regular」「規則正しい」「定期的」「正常」という意味、副詞は「regurarly」になります。

「レギュラー」と日本語にもなっています。

“You have a regular pulse.”
(あなたの脈拍は正常です)

「平常」の意味

「平常」は、「へいじょう」と読み、以下の2つの意味があります。

1つ目は「いつもと同じこと」という意味で、特に何か言う程のことがなく、習慣的に同じ動作が繰り返されている様子を言います。

2つ目は「他のものと比べて特に変わったところのないこと」という意味で、問題が起きた時などに、いつもの状態を表す言葉です。

「平」「なみ」「普通」という意味、「常」「いつもと同じ状態が続く」という意味、「平常」「普通でいつもと同じ状態が続くこと」になります。

「平常」の使い方

「平常」は、「いつもと同じ状態が続くこと」に使われます。

名詞・形容動詞として「平常だ・である」と使われたり、「平常な〇〇」と名詞を修飾して使われたり、「平常に」と副詞として使われたりします。

「平常」は、良い悪いに関係なく「いつも通りの状態」に使われる言葉です。

「平常心」「普通と変わらず、揺れ動かない気持ち」という意味で使われます。

「平常」を使った例文

・『平常な毎日に戻りたいので早くコロナを収束させて欲しい』
・『鉄道各線のダイヤは平常通りに運行されています』
・『これだけショックなことが続くと平常心を保つのが困難になる』
・『いつ災害が起きるか分からないので、平常時から訓練しておく必要がある』
・『ずいぶん残業が多いが、これが平常だとすると転職を考えるべきかもしれない』

「平常」の類語

「いつも通り(いつもどおり)」
「特に変化がなく、普通の場合と同じ様子」という意味です。

「緊急事態宣言中でも新宿はいつも通りに混雑していた」などと使われます。

「代わり映えない(かわりばえない)」
「舞台で、役者を交代しても前と変わらずぱっとしないこと」から転じて、「いつもと何ら変わったことがない様子」という意味です。

「通り」は、「それまでと違わない様子を表す言葉」で、「元通り」「その通り」に使われます。

「前来た時と代わり映えしない風景だ」などと使われます。

「平常」の対義語

「非常(ひじょう)」
「普通でなく、差し迫った状態」という意味です。

「非常の場合はどの扉からでも出られます」などと使われます。

「正常」の意味

「正常」「せいじょう」と読み、以下の2つの意味があります。

1つ目は「特に変わったことがなく普通であること」という意味で、普段通りにものごとが進んでいる様子を表します。

こちらの意味は「平常」とほぼ同じになります。

正し、一度間違った状態や、好ましくない状態が発生した後に、それと比較して普通の状態に戻ったことを表す言葉です。

2つ目は「規範通り正しい状態であること」という意味で、普通ではない状態に対して使われる言葉です。

「正」「ただしい」とも読み、「適切なこと」という意味、「正常」「適切な状態が続いていること」になります。

「正常」の使い方

「正常」「特に変わったことがなく普通であること」「正しい状態であること」に使われます。

名詞・形容動詞として「正常だ・である」と使われたり、「正常な〇〇」と名詞を修飾して使われたり、「正常に」と副詞として使われたりします。

「正常」は、好ましくない状態、あるべきではない状態が起こったり、想定される時に使われることが多い言葉です。

「正常」を使った例文

・『彼はショックのあまりに正常な判断ができなくなっている』
・『パソコンが正常に動作しないので修理に出したい』
・『止まっていた時計がいきなり正常に動き始めた』
・『サーバーに負荷のかかる処理が3時間かかって正常に終了した』
・『毎日ウォーキングをしたお蔭か血圧が正常値に戻った』

「正常」の類語

「規則正しい(きそくただしい)」
「ある一定の規範に従って続いている様子」という意味です。

「生活習慣病を予防するには規則正しい生活を続けることが大切だ」などと使われます。

「問題ない(もんだいない)」
「普段どおりで、特に好ましくない状態が見られない様子」という意味です。

「ハード面には問題ないので、アプリを入れ直せば直ると思う」などと使われます。

「正常」の対義語

「異常(いじょう)」
「普通とは明らかに違っていること」という意味です。

「今年の夏は異常に暑くかったと思う」などと使われます。

まとめ

今回は「平常」「正常」について紹介しました。

「平常」「普段と変わりないこと」「正常」「普段と変わりがないこと」「正しくものごとが行われること」と覚えておきましょう。