「不審」と「不信」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「不審」と「不信」の違い生活・教育

この記事では、「不審」「不信」の違いを分かりやすく説明していきます。

「不審」と「不信」の違い

「不審」「不信」の違いについて紹介します。


「不審」と「不信」の使い方の違い

「不審」「人やものごとに対して疑わしく思うこと」に使われます。

何か変ではないか、違和感を覚えるなど、良くないことへの勘が働く様子を言います。

「不信」「人やものごとを信用しないこと」「誠実でないこと」に使われます。

明らかに相手やものごとに対して本当であると思えない様子を言います。


「不審」と「不信」の英語表記の違い

「不審」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「suspicious」「疑い深い」「不審な」という意味です。

“She looks pretty suspicious.”
(彼女はどうも不審に見える)
2つ目は「dubious」で、「いかがわしい」「疑わしい」という意味です。

“I saw a dubious looking man in the park yesterday.”
(私は昨日公園で不審な男性を目撃した)
「不信」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「distrust」で、「疑惑」「不信」という意味です。

“He has a distrust of people.”
(彼は人間不信に陥っている)
2つ目は「doubt」で、「疑う」「不信」という意味です。

“Most people doubt the the politicians.”
(ほとんどの人々が政治家のことを信用していない)

「不審」の意味

「不審」「ふしん」と読み、以下の2つの意味があります。

1つ目は「はっきりしない点があって、疑わしく思うこと」という意味で、本当かどうか判断できずに疑いを持つことを言います。

2つ目は「悪いことをした、或いはするのではないかと疑われること」という意味で、見た目が恐そうだったり、落ち着かない態度をしている人などのことを言います。

「不」「~ではない」という否定を表す言葉、「審」「ものごとを細かく調べて明らかにさせること」と言う意味、「不審」「細かいことが分からずはっきりしない」になります。

「不審」の使い方

「不審」「はっきりせずに疑わしく思うこと」「悪い人やものであると疑われること」に使われます。

名詞・形容動詞として「不審だ・である」と使われたり、「不審な〇〇」と名詞を修飾して使われたりします。

また、「不審人物」「人間不信」など、対象となる言葉を組み合わせて複合語として使われることもあります。

「不審」は、人や物に対して疑わしい、怪しいと思う気持ちを表し、はっきりとした証拠がない時に使われる表現です。

「不審」を使った例文

・『最近不審者が増えているのでPTAによるパトロールを強化する』
・『お迎え時にどうも挙動が不審な男性がいたが、単に休暇中のパパだった』
・『彼の説明内容には不審な点が多いので、すぐに判断はできない』
・『小さな子供が夜遅く一人で公園にいるので不審に思い、声をかけた』
・『猫を見たくて何度も同じ道を通っていたら近所の人に不審な目で見られた』

「不審」の類語

「訝しい(いぶかしい)」
「ものごとが不明で怪しいと思う様子」という意味です。

「彼女の話にはかなり訝しいと思う点があった」などと使われます。

「胡散臭い(うさんくさい)」
「どことなく怪しい、疑わしい」という意味です。

「胡散」は高麗産の茶碗の一種である「烏盞(うさん)」に由来していると言われています。

高価だと言われているのですが、生産地や年代などがはっきりせずに、本物かどうか判別できないことから「偽物っぽい」「疑わしい」という意味で使われる様になりました。

なぜ「胡散」に変化したのかは不明です。

「隣に引っ越してきた人はどうも胡散臭い気がする」などと使われます。

「不審」の対義語

「悠然(ゆうぜん)」
「ものごとに動ぜず、ゆったりと落ち着いている様子」という意味です。

「皆が焦っていても、彼は一人悠然と構えていた」などと使われます。

「不信」の意味

「不信」「ふしん」と読み、以下の3つの意味があります。

1つ目は「信用できないこと」という意味で、人やものごとに対して本当である、言う通りにしたいと思えないことを言います。

2つ目は「誠実でないこと」という意味で、嘘や偽りが多く真心が感じられないことを言います。

3つ目は「宗教に対して信仰心がないこと」という意味で、門徒でありながら信じていないことを言います。

「信」「言動に偽りがなく正しいこと」という意味、「不信」「言動に偽りがある、正しくないこと」という意味になります。

「不信」の使い方

「不信」は主に「信用できない」「誠実でない」という意味に使われます。

「不信感」として使われることが多く、「信用できないと感じること」「誠実でないと感じること」として使われます。

また、信用できない対象となるものと組み合わせて「人間不信」「男性不信」など複合語として使われることもあります。

「不信」「疑わしい」と思うだけではなく、既に「信用できない」と思ってしまっている気持ちを表す言葉です。

「不信」を使った例文

・『上司に対して日に日に不信感を抱く様になった』
・『彼女は結婚詐欺に引っかかって以来、男性不信に陥っている』
・『5年間付き合った彼女に浮気されて女性不信になりそうだ』
・『会見でその様なことを言うから政治不信を招くのだと思う』
・『ビジネスでは不信行為をすると致命傷に発展する』

「不信」の類語

「信憑性に欠ける(しんぴょうせいにかける)」
「あるものごとに対して確かであるという決め手がないこと」「あるものごとに対して信頼できないと思うこと」という意味です。

「彼女の説明はイマイチ信憑性に欠けるので受け入れ兼ねる」などと使われます。

「懐疑的(かいぎてき)」
「あるものごとや概念について、疑問を持っている様子」という意味です。

「彼女は全ての人の意見に対して懐疑的だ」などと使われます。

「不信」の対義語

「信用(しんよう)」
「確かなものと信じて受け入れること」という意味です。

「失った信用を取り戻すことは難しい」などと使われます。

まとめ

今回は「不審」「不信」について紹介しました。

「不審」「疑わしいこと」「不信」「本当であると思えないこと」と覚えておきましょう。