「堰堤」と「堤防」と「ダム」の違いとは?分かりやすく解釈

「堰堤」と「堤防」と「ダム」の違いとは?生活・教育

みなさんは堰堤とダムと堤防の違いはご存知でしょうか。

みっつとも水をせき止めるという役割を持つ私たちの生活には欠かせない大事なものですが、実はそれぞれ用いられる場所や基準が異なっているのです。

この記事では、「堰堤」「ダム」「堤防」の違いを分かりやすく説明していきます。

「堰堤」とは?

堰堤は川の水を他の場所に引いたり、川の流れを緩やかにしたり、釣り場などを作ったりするために築かれるもののことです。

辞書では「堰堤またはダム」といったように同じ意味で書かれていますが、堰堤はダムよりも小規模で、ダムのような大規模な貯水機能は備わっていません。

堰堤の主な役割は土砂災害を防ぐことです。

山間部などでは土砂の流出を防ぐために、『砂防堰堤(砂防ダム)』を造る事もあります。

つまり堰堤は水辺だけに作られるというわけではないのです。


「ダム」とは?

ダムと堰堤の違いは一番にその大きさと規模です。

貯水や河川などの水量調節などを目的として造られた高さ15メートル以上の構造物のことをダムと言い、15メートル以下だと堰堤になります。

ダムの主な役割は生活・農業用水などの供給、水量の調節、環境の保全、発電の四つです。

ただダムと堰堤の高さの違いが正式に決められたのは1964年に「新河川法」が制定されてからなので、1964年以前に作られたダムは「〇〇堰堤」と呼ぶ事があります。

岩石や土を合わせた『フィルダム』とコンクリートで作られた『コンクリートダム』があり、建設する場所や地盤の固さによってその形も様々です。

洪水を調節するためのダムは『治水ダム』、農業や工業、水道用水や水力発電に利用するためのダムは『利水ダム』と呼ばれます。


「堤防」とは?

堤防は堰堤やダムとはその役割が違います。

堤防は民家などがある地域に河川や海の水が浸入しないよう、岸に沿って土砂を盛り上げた治水構造物のことを言い、「堤」「土手」と呼ばれることもあります。

ダムや堰堤は規模や利用方法は違いますが両方水を貯めることを目的に作られており、対して堤防は川の氾濫や洪水、津波や高潮による被害などから私たちの生活を守るために作られている壁のようなものです。

堤防が崩壊し川の水が堤防から流れ出してしまうことを、破堤(決壊)と言います。

「堰堤」と「ダム」と「堤防」の違い

以上の事からみっつの違いがおわかりいただけたかと思います。

貯水を目的に作られたものを堰堤といい、その規模が高さ15メートル以上ならダムとなります。

そして河川や海の水が外に流れ出してしまうのを防ぐために作られているものが堤防です。

みっつとも海に囲まれた自然豊かな島国・日本に住む私たちの生活には欠かせないものとなっています。

まとめ

いかがだったでしょうか。

もしお散歩に出かけた際は、河川敷を歩きながら「この壁が私たちの生活を守ってくれているんだな」なんて思いを馳せてみたりするのも良いかもしれません。