先の尖った物に恐怖を感じてしまう人のことを普通は「先端恐怖症」と言いますが、「尖端恐怖症」という記述も見られます。
これはどちらが正しいのでしょうか。
この記事では、「先端」と「尖端」の違いを分かりやすく説明していきます。
「先端」とは?
「先端」とは、「先の方」と言う意味を持つ熟語です。
物理的な「先の方」よりも、概念的な「先」を示すことが多い言葉です。
その意味としては「先端医療」、「先端技術」、「先端産業」などがあります。
これらは全て「先進的な」あるいは「新しい」というニュアンスが含まれています。
「尖端」とは?
「尖端」とは、文字通り「尖った端」のことを表現した言葉です。
つまり、何かの「端」であっても、「尖って」いなければ「尖端」とは言いません。
「尖端」が付いた熟語は多くはなく「先端恐怖症」くらいですが、「尖」がついた熟語は「尖塔」、「尖兵」、「尖鋭」などがあります。
「先端」と「尖端」の違い
「先端」と「尖端」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは同じ音の熟語で、同じような意味を持っていますが、元々の意味は違っていました。
大きな違いは「先端」が「先の方のはじ」と言う意味で使用されるのに対して「尖端」が「尖ったはじ」と言う意味で使われていたと言う部分です。
従って、元々は「先端恐怖症」ではなく「尖端恐怖症」が正しかったと思われます。
まとめ
この記事では、「先端」と「尖端」の違いに関して解説して来ましたが、このように常用漢字として登録されていない漢字を使用している熟語は別の同音の熟語で置き換えて使用するいうガイドが1956年に国語審議会によって行われていることから、このような置き換えは相当な種類があります。
さらに、そこから既に60年以上経って、置き換えた方の熟語の方が普通に使われるようになっていることから、既にどちらが正しいという概念自体がなくなっていると言うことができます。