この記事では、「仕組み」と「構造」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
仕組みと構造の違い
「仕組み」とは、物事の組み立てのこと、構造のことです。
目的にあった働きをするように組み立てたものの構造のことを意味します。
「構造」とは、そのものを作りあげている部分部分の材料の組み合わせ、その組み立て方のことです。
「仕組み」の意味に「構造」が含まれているので、2つの言葉が意味するものはほぼ同じです。
しかし、まったく同じ意味なのではありません。
「仕組み」は、目的にあった働きをするように、という意味が含まれています。
一方、「構造」の方には目的にあった働き、という意味は含まれておらず、単に部分部分の材料の組み合わせやその組み立てのことを意味しています。
仕組みと構造の使い方の違い
「仕組み」の中に「構造」の意味が含まれており、似たような意味を持っているので、似たような場面で使われています。
どちらの言葉も、機械のような物質的なものにも、政治や頭の中など非物質的なものにも使えます。
特に目的にあったという意味を含めたいときには「仕組み」を使用します。
「元締めがもうかる仕組み」とはいいますが、「元締めがもうかる構造」とは一般的にはいいません。
元締めにとっての目的があり、その目的が叶うような組み立てのことなので「仕組み」が使われています。
仕組みと構造の英語表記の違い
「仕組み」は英語で“structure”と表記をします。
制度の「仕組み」のことは“system”となります。
「構造」は英語で“structure”や“construction”と表記をします。
仕組みの意味
「仕組み」とは、物事の組み立て、構造のことです。
「組み立て」は、個々の材料や部品などを組み合わせて、ひとつのまとまりにすることを意味します。
「仕組み」には、目的にあった働きをするように組み立てたものという意味が含まれています。
「政治の仕組み」のような使い方をしますが、この言葉は単に部品の組み合わせを意味しているのではなく、目的がある、その目的にあったものであるという意味が含まれています。
政治は、国民のよりよい生活のためになど、何かしら目的があります。
その目的を達成するために、個々の部品が組み合わされています。
仕組みの使い方
個々の部品や材料を組み合わせて、全体で一つになっているものに使われる言葉です。
パソコンのような物質的なものにも、政治や頭の中のような非物質的なものにも使うことができます。
「パソコンの仕組み」といったとき、単にどのような部品が使われていて、どのように組み合わせているのかということだけでなく、パソコンが目的を叶うようにするために、どういった組み合わせをしているのかという意味が含まれています。
目的もなくばらばらに組み合わせたようなものには、一般的には「仕組み」という言葉を使用しません。
仕組みを使った例文
・『パソコンの仕組みを学ぶ』
・『すべてがうまくいく仕組みになっている』
・『このような仕組みなのです』
・『世の中の仕組みは複雑だ』
・『自分に都合がよい仕組み』
仕組みの類語
「メカニズム」や「機構」が類語です。
「メカニズム」は機械装置の構造を意味します。
「機構」は一つの働きをする統一的組織のことです。
仕組みの対義語
対義語はありません。
構造の意味
「構造」は、一つのものを作り上げている部分部分の材料の組み合わせ方や、組み合わせてできたもののことです。
木造住宅には、木造軸組工法というものがあります。
木造軸組工法では、土台を作り、柱を立てて、梁をわたし、筋交いを入れてといった工程を経て住宅を建てていきます。
柱や梁などは個々の部品です。
これらを組み合わせることや組み合わせてできたものが構造です。
構造の使い方
いくつかの要素が組み合わさって全体を組み立てることや、組み合わせてできたものについて使われる言葉です。
住宅や車のような物質的なものにも、頭の中や社会など非物質的なものにも使われます。
構造を使った例文
・『車の構造を調べる』
・『住宅の構造について考える』
・『彼の頭の構造を知りたいよ』
・『きわめて複雑な構造だ』
・『鳥の体の構造と人間の体の構造は違う』
構造の類語
「構成」「組成」が類語です。
「構成」は、いくつかの要素を組み合わせて一つのまとまりのあるものに組み立てることです。
文章や家族などは一つのまとまりになっており、こういったことに使われます。
「組成」は、いくつかの要素や成分によって組み立てることや、その組み立てのことです。
一見しただけでは、どのような要素・成分で成り立っているのかわからないものに使います。
構造の対義語
対義語はありません。
まとめ
「仕組み」の意味の中に「構造」が含まれており、「構造」の意味の中に「仕組み」が含まれており、2つの言葉は同じような意味を持っています。